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■ 其の103 ■  令和 or 昭和?

🔣2001年発行の、松本茂編集『 直読・速読・多聴式 らっくらく英文解釈』という英語教材があります。 わたしが英検受験対策で聴いていたCDのひとつです。 以下はその中に出ていた外国人からみた日本についての抜粋です。
         
           ──   タイトルは Baby  Friendly  Japan ──

 今日、私は、妻と私たちの赤ん坊を連れて、忠実屋でハンバーガーを席について食べていました。私たちはたぶん、そこに30分くらいいたと思いますが、その間に約7人の人々が私たちのテーブルにやってきて、私たちの赤ん坊のことを知りたがりました。彼らは私たちの赤ん坊が何歳であるかをたずね、彼女がどれほどかわいいか言いました。彼らはとてもいい人たちでした。さらに、私たちがほぼ外出するたびに、このようなことが起ります。

 日本人は一般的に赤ん坊に対してすっと寛容です。たとえば、赤ん坊が公共の場所で、泣く場合でも、人々はあまり文句を言いません。彼らは、泣くことに寛容なだけではなく、なんらかの方法で手を貸そうかと尋ねてくるでしょう。 日本人はほとんどの場合互いに信頼し合っています。 日本は、私の家族とわたしにとって、住むにはすばらしい場所であるとわかりました。「家族」はここではキーワードです。アメリカではかくも多くの人々が、「家族」が重要であるという考えから遠ざかっていました。一方、日本人は、家族がどれほど重要であるか、また、それが自分たちの国の未来にどれほど重要であるかを知っています。

『 直読・速読・多聴式 らっくらく英文解釈』40ページ


🔣えっ、そんなに日本人は立派だったっけ?と思いましたが、
あくまで日本に住んでいるアメリカ人の印象です。
発行は2001年ですが、書かれた内容は1990年より前、たぶん80年代の昭和でしょうか。記憶が定かではありませんが、日本社会はそこまで優しい空気だったかな??という気もします。
 ただ、いずれにしても、いまの街中での親子の置かれた状況は全然違いますよね。よく言われているのは、公共交通機関やエレベータの中で、ベビーカーが迷惑視されて肩身が狭いという話です。

🔣日本人はかなり変質してしまったのでしょう。カプセルに入った個々の人間が集まったような社会。親ガチャなんて言葉が流行りましたが、人間をカプセルの中のアイテムとみなしていい訳がありません。 
でも実際に、文中にあるような「見知らぬ」「通りすがりの」女性が自分の幼い子どもに近づいてきたら、若いお母さん達は抵抗があるでしょう。
「あ~かわいいねー」と言いながら頭を撫でたり、ほっぺたをツンとされたくはないでしょう。

🔣だけど、だけど、昭和の「三丁目の夕日」の世界はそれが普通だったてことです。他人同士がやわらかにつながった空間が広がっていたという事です。結果、子育てもしやすい世の中だったのでしょう。

もし選べるとしたら、あなたはどちらがいいですか?

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