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炭水化物・脂質の摂取と死亡リスクとの関連 〜極端な食事習慣が生命予後に影響を与えることを発見〜

えいようJoin運営事務局スタッフが管理栄養士さん必見の記事を紹介していきます。

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良かったら覗いてみてください。

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本日はこの記事について。

https://research-er.jp/articles/view/124068

炭水化物と脂質の摂取制限がもたらす「短期的な効果」と「長期的な生命予後」のあいだに大きな矛盾

名古屋大学大学院医学系研究科予防医学分野の田村高志講師、若井建志教授らの研究グループは、日本多施設共同コーホート研究の追跡調査データを用いたコホート研究として、日本人の炭水化物・脂質の摂取量と死亡リスクとの関連について調べました。

炭水化物と脂質の摂取制限は、体重減少や血糖値の改善などを促して、私たちの生活習慣病の予防にとって有用であるという考えが浸透してきていますが、「長期的な生命予後」という視点で見たとき、結果に矛盾が生まれてしまうという研究結果がはじき出されました。

男性は低炭水化物食で死亡リスクが増加傾向

本研究グループは、J-MICC 研究の参加者約 8.1 万人のおよそ 9 年間の追跡調査によって、日本人の炭水化物・脂質摂取量と死亡リスクとの関連を評価しました。
研究対象者の一日あたりの炭水化物・脂質摂取量(g)は食物摂取頻度調査票 によって推定し、エネルギー比率(%) として算出。

その研究のなかで、男性の低炭水化物摂取群で全死亡リスクは 1.59 倍という結果に。

女性は脂質摂取量の増加により死亡リスクが低下傾向に

反対に女性はというと、高炭水化物摂取群の全死亡リスクは1.71 倍に増加。
ただ、女性の脂質摂取量の増加は全死亡リスクとがん死亡リスクを下げる傾向が観察されました。

ローカーボ食推奨に歯止めか

本研究グループによる研究結果は、「ローカーボ食またはハイカーボ食がよい」、「脂質摂取はできるだけ控えたほうがよい」とする食事習慣を見直すことを提案しています。

管理栄養士さんのお仕事でも「低糖質」「低脂質」に関する記事執筆やコンテンツづくりを求められることがあるかと思います。
そんなときはこの記事を頭の片隅においていただき、過剰な推奨は避けるようにしていただければと思います。

何ごとも極端は避け、バランスが重要ですよね!