[映画]ベンジャミンバトン ~人生で歴代No.1の傑作~

今更ながらベンジャミンバトンをちゃんと見たら、涙が止まらなくなった。

あらすじとしては老人の状態で生まれ、年を取るほどに若返っていくベンジャミンバトンの一生を描いた作品。

ベンジャミンは幼馴染みであるデイジーと最終的に結婚することになるが、それまでは自分の見た目が老人に対して相手は子供だったりして、一度、デイジーがベンジャミンに好意を打ち明けても彼は自分とデイジーがまだ釣り合わないなどとしてすれ違いを繰り返し、やっと人生の中盤である40代で愛する人と時が重なって互いに結ばれることで、永遠には続かないその瞬間を噛み締めながら愛を深めていくシーンに相思相愛であることの奇跡と一生続くわけではない時間の儚さを感じ、ここら辺から涙が止まらなかった…。

特にベンジャミンはどんどん若返るのに対しデイジーが自分が老いていくことに負い目を感じている様子とかを見てると相手からしたら、大した気にしないし、相手にも気にしないで欲しくても、好きだからこそ自分が醜いと思っている部分は中々、簡単には見せられない切なさが自分の体験と重なり(人それぞれコンプレックスはあると思うので、皆このシーンで感情移入できると思うけど)、ここで追い涙が溢れて嗚咽が止まらなかった。

ここまでは感動ポイントだけれど、この映画のすごいと思ったところは、 ベンジャミンとデイジーに子供ができると彼は自分が子供になってしまうことを見越して家を出る。

それから時が経ち、ある時デイジーに男の子が廃屋で発見され、バックのなかには彼女に宛てられた手紙があったという電話が入った。

彼女が久しぶりに会ってみると子供になったベンジャミンが居て、認知症の症状によって今までの記憶を忘れていた。

それから彼女が昔は恋仲にあった子供を育て(介護)するという、ここも泣けるポイントではあるんだけれどなぜ泣いたのか言語化すると自分が過去に愛し合ってきた人が自分も含めた全ての記憶を忘れても、それを受け止めて介護するデイジーという恐らく現実の認知症の配偶者を介護している人の悲しみと全く同じになっているところ。

そこがこの映画はフィクションではあるけれど現実とシンクロしているからこそ視聴者が感動できるようになっている仕組みがすごいと思った。

また幼いときはデイジーが若くて、ベンジャミンは年老いていたのに、それが逆転してしまったという事実から分かる時間の流れの早さ(諸行無常さ)が映画を綺麗な物に仕上げていて名作の雰囲気を漂わせているところにも感動(時間の儚さと傑作を見たという達成感)した。

点数は100点。今まで見てきた映画の中で一番良かった。この映画の見た目は変わって永遠に綺麗なままの状態は保てないけど愛は永遠というメッセージがグサグサ刺さった。SFでもないのに見終わった後はクリストファー・ノーランの時間のトリック?を見たような気分にもなるし不思議な映画だと思う。

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