[映画]スポットライト カトリックの真っ黒な闇の顔

たったひとつの新聞社が神父から幼少期に性的虐待を受けた被害者の供述をもとに教会やお金目当ての弁護士が組織ぐるみで隠蔽した事件を独自取材によって公にするという話。

メディア系の会社ってこんなに泥臭い仕事してるんだなと思った。文春とかもどっからそんな情報引っ張ってきたの?みたいな情報を公開することが多いからよく芸能人の不倫とかじゃなくて政府の汚職を摘発する方にベクトルを向けろとか言われてるけど、こんな力業で情報を供給できるとか凄いなと思った。

教会と聞くと圧倒的な正義みたいな風に思われるけど、世の中にそんな正義とかはないんだなと思った。教会側は神父が小さい子に性的虐待をしているなんて世間に知られたら宗教としての価値が落ちるから隠したいし、神父は性的虐待は悪いことだけど戒律として配偶者を持つことができないという制限からしてしまう(でもそれ覚悟で神父になったんだから責任は多いにあると思うけど)。

だから弁護士にお金払ってでも隠蔽をするし、弁護士事務所は商売だし裁判の記録も非公開に出来るくらい権力を持ってる宗教組織に目をつけられたくないからお金を受け取って有耶無耶にしようとする。様々な人たちのインセンティブが複雑に絡み合ってこういう隠蔽事件が起きるのだと思った。しかもこの取材をした新聞社も一人の勇敢な弁護士からの真実が書かれたメールを信者に目をつけられるとビュー数が落ちることを気にして無視していた。隠蔽というのは組織であればどこでも起きうる問題だということも知れたので、こういった事件を防ぐためにも企業の利害の一定の透明性と第三者による監視は求められるべきだと思った。

点数は76点。映画としては普通に面白かったけど、なんか特に見所がなくて淡々としてた。

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