[感想] テッド1 ~環境の変化によって友情の形は変わっていく~

意外と深い映画だった。ただの口の悪くて下品な熊を見て楽しむコメディだと思ってたから良い意味で期待を裏切られた。映画では環境の変化によって変わる親友との関係性について描かれていて、自分も高校受験で地元を出てから仲の良かった友達と何年も会わずにいて、連絡はたまにするものの、どんどん疎遠になっていく感覚が映画の二人の仲を通して感情移入できた。最終的には二人は結婚と友情を両立させることに成功するけど、この結末については少し微妙だった。コメディだから最後に現実的な終わりかたじゃ後味悪くなってしょうがないのかもしれないけど、人間関係はどんなに仲が良くても絶えず変わっていくものだし、せめて同じアパートの別々の部屋に住むことにしました。ちゃんちゃん。みたいな具体的な友情の保ち方も描いてほしかった。

またこの映画ではテッドが死んでしまうシーンがあるけど、そこでは親しい人がなくなると辛いのはその人は自分の一部でもあるからというのが分かった。その人が幼少期から付き合っていて自分の核となる部分を一緒に話したり居てくれることで作ってくれた部分が大きいほど辛さは増す。だからこそ親しい人の死は辛い。

あと恋愛と友情の人間関係の性質の違いについて思ったのはお互いの関係について深く考えあう回数の違いが圧倒的に違うなと思った。友達と付き合うときに自分達がずっと友達でいれるにはどうしたら良いかとか考える時ってほぼほぼないけど、恋愛では恐らく人によっては数ヵ月ごとにどうしたら相互の関係性を良いものにできるかを考え合う機会が望まなくとも与えられる。だからこそ恋愛をすると人として成長すると言われる所以でもあるのかなと思った。

点数的には78点。恐らく自分の好み的に終わりが何も失うことなく完璧なハッピーエンドを迎える話が好きじゃなかったので。恋人と見たら後味悪くなく終わって良い映画だと思う。

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