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これが僕のやり方

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中学2年生の段田太一は、エネルギー波を出すために悪戦苦闘する。が、ある日ヒントを掴む。
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2016年2月の記事一覧

小説『これが僕のやり方』――⑩覚醒のつづき

小説『これが僕のやり方』――⑩覚醒のつづき

 体育の時間が終わって教室に戻る。なんとなくいくつかの視線を感じる。

 あまり考えてなかったけど目立ってしまった。目立ったらどうなるか。考えたことがなかった。

 大村が着替えながら近づいてくる。

「おい段田! 次の体育勝負だぞ」
「ああ、うん」

 僕も上を脱ぐ。

「え。てか、なんでそんなマッチョなん?」

 僕は何度か超回復を経て筋肉もそれに耐えうる力をつけていた。胸板は厚くなり、腹筋は

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小説『これが僕のやり方』――⑨現実に落書きするようなもの

小説『これが僕のやり方』――⑨現実に落書きするようなもの

 夜未知にはたいした恨みはない。ただあまり好きじゃないだけだ。確かに例の件からちょくちょくちょっかいは出されるけどいじめには発展しない。
正憲は前からちょっかいを出されている。

 体育の時間。
 一軍のストレス解消の時間。しかも今日はバスケ。僕がシュートを打とうもんなら少しイラッとした表情を躊躇なく見せる。
 バスケ部の大村が僕を抜き去って軽々とレイアップシュートを決める。素人の僕でもわか

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