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いつでも微笑を「英語のそこのところ」第58回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2015年1月1日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 英語を伝えたり、Native English Speakerの考え方を伝えたりする仕事をしていると、そっち側に立っていると誤解されがちなんですが、私はどっちかというとこっち側でして。今回はそんな話です。なにもかも、世界基準にする必要はないんじゃないですかねぇ。(著者)

【本文】

 あけましておめでとうございます。みなさん、初詣から帰ってこられたところでしょうか。それとも、昨日、夜更かしして、寝ぼけまなこでメールチェックしておられるところでしょうか? いずれにしても、めでたいお正月。まったりした空気を思う存分愉しんでください。

 と、ここまで書いてきて気づいたんですが、お正月ってなんで「めでたい」んでしょうね。
「なんば言いよっとかね、正月は正月だから、めでたいったい」
「年の初めはめでたいものって決まっとろうがて」

って、理窟の嫌いな福岡県人なら言うところなんでしょうが、私はどうもそういう水が合わないので東京に出てきた口。どうも気になる。正月から、理窟っぽくて恐縮ですが、この調子で今年もお付き合いいただければ、幸いです。

 で、調べてみると正月は「五穀豊穣」「家内安全」を約束してくれる「歳神様」をお迎えするためのものなんですね。だから、歳神様をお迎えするためにしめ飾りや門松を用意するんだとか。なるほど、神様がおいでになるから、めでたいわけです。
 また、この歳神様がおいでになるということは、歳をひとつ取った、長生きできたということにもなり、これまためでたいのだとか。いわゆる「数え年」の風習もここからきているのだそうです。
 無知をさらけ出すようでお恥ずかしいですが、私はこの辺の古いしきたりをまるで無視して育てられたせいか、数え年のことをよく知らなくて、調べてみると、生まれた年が「1歳」で、正月を迎えるごとに歳をとる風習なんだそうです。なので「あけましておめでとうございます」というのは、「誕生日おめでとうございます」の意味もあったのだとか。そりゃ、二重にめでたい。まったりして当然です。

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