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合わせるよりも、説得をね。「英語のそこのところ」第110回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2016年6月9日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 最近ではタトゥーを入れていないNative English Speakerはめずらしい存在になっていますが、それに関して友人のNative English Speakerと議論したときの話です。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

いよいよ、新展開! 映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7から、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっていきます。

 この「ESM Practice 7」では、
せっかく来たのに、こんなのないよ。(from 新世紀エヴァンゲリオン)
やっぱ、人生この時のために生きてるようなもんよね。(from 新世紀エヴァンゲリオン)
バルセロナは5-1でミュンヘンに負けたよ。
ミュンヘンは3ー0でリヨンに勝ったよ。
なんてゴールだ!
人類はもはや孤独ではないのだ。(from 幼年期の終り)

などの名言、名台詞を扱いますのでお愉しみ。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 あっという間に6月です。
 このまえ冷たい空気の中に少し湿り気を感じて「ああもう春かぁ」と思っていたら、もう肌そのものに湿り気を感じる。汗っかきの自覚はないんですが、私は代謝がいいみたいですぐ着ているものがしっとりする(だれです? じっとりの間違いだろなんて言ってるのは(笑))。これぐらいの季節から秋口まで、フェイシャル・ペーパーが手放せない日々の始まりです。

 代謝がいいということでは、コーカソイドやネグロイドの方は平熱がモンゴロイドの日本人より1度ぐらい高いそうで、この時期になるとTシャツ、ポロシャツ、半ズボンという人もめずらしくなくなります。暑いうえに湿度が高いですからね。彼らにとっては、日本の夏は、むっとするし、暑いしで、たまらないもののようです。

 以前いた英会話スクールでは、スタッフのNative English Speakerは原則カラーのある服装というドレスコードがありましたが、登録しているだけのNative English Speakerの場合はこのコードがなくて、この時期にイベントや仕事で会ったりすると、ぎょっとすることが多々ありました。

 え? Tシャツに半ズボンにサンダルという裸同然の恰好で来るからでしょうって? いえいえ、もうそれぐらいでは驚きませんよ、ええ。そんなのは、この時期からのNative English Speakerの制服みたいなもので、いちいち動じていたら仕事にならない(笑)。

 驚くのは、刺青というか、タトゥーを入れているNative English Speakerがたくさんいることでして。
 私は専門が現代哲学でしたから、Native English Speakerのタトゥーの感覚が我々Native Japanese Speakerとはだいぶ違っていることを知っています。なので、かなりぎょっとはするもののまぁ、そういうものかと初めのうちは思っていたんですが、これがねぇ、年を追うごとにタトゥー率が増えて行く。最近知った話なんですが、ここ10年ほどでタトゥー率はアメリカ人で2倍になっているのだそうです。20代後半の42%、30代だと55%もの人が「墨」を入れている(笑)、いや、タトゥーを入れているそうです。

 私が英会話スクールにいた時期は04年から11年ですから、ちょうど増加期だったみたいで、初めのころはアメリカ軍を退官して日本に居ついてしまったNative English Speaker講師とかの腕に目立っていたんですが、最後のほうは、UCLA卒業の有名企業のビジネスマンの腕に月桂樹のタトゥーがあって、ここまで来たかぁと変な感心をしていたものでした。

「ねぇ、Rich。あれは本当に大丈夫なのかねぇ」
 一所懸命にサッカーボールを追っているNative English SpeakerのLindaのほうを見て、徳田が言った。
「なにが?」
 Lindaのドリブルに、小学校高学年ぐらいの男の子が足を出す。Lindaはちょんっとボールを浮かすとジャンプ一番、それを躱した。見物していた観客から歓声が沸く。英会話スクール恒例のフットサルのイベントだ。
「なにがって、あれさ」
「胸?」
 Richの隣に座ってビールを飲んでいるDidoが、判っているのに話をそらした。
「まぁ、確かにそれはそれで気になるが、それよりもだなぁ」
「タトゥーだろ? 徳さんが言ってるのは」
 とRichが話を戻した。
「そういうこと」
 Lindaの左足の太ももからふくらはぎに、漢字と模様がしっかりと入っているのだ。漢字は、母国で入れたのか、
「待」
という文字が大きく入っている。
「侍」
より「ひとはね」多いとは、誰も指摘できない恐ろしい事実だ。

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