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Work to live or Live to work?「英語のそこのところ」第115回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2016年8月18日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 Native English SpeakerはWork to live と言われますが、Native English Speakerのなかには仕事が愉しいという人が結構います。その理由をNative English Speakerと話し合ったときの話です。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

新展開 第3弾! 映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル9」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」以降では、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっていきます。

 この「ESM Practice 9」では、とモンゴメリーの「赤毛のアン」のセリフやデイジー・リドリーのインタビューを英語にすることにトライします。

それに、巧く持たないと取っ手が抜けるのよ。(from 赤毛のアン)
ちょっと気が滅入るかも知れないけど、グレイよ。(from デイジー・リドリーのインタヴュー)
90年代生まれのあるあるは?(from デイジー・リドリーのインタヴュー)こんなふうに、スパイスガールズと育ったわ(スパイスガールズの動きの真似をしながら)。(from デイジー・リドリーのインタヴュー)

お愉しみに。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 私は基本的に夜型で、朝起きるのは8時~9時のあいだ、寝るのは夜の3時ぐらいの生活を送っているんですが、このあいだひょんなことで、早起き(みなさんにとっては普通の時間(笑))する必要があって6時に起きて出かけることになってしまいました。
 朝のまだ交通量の少ない道路を歩いて駅まで行くと、朝の空気は昼間と違って涼しく乾いていて秋がすぐそこまで近づいているのが判る。と、同時にああ、こういうことがあったなぁっと昔のことを思い出したりもしまして。

 今は、エッセイや小説を書いたり、企業研修として英会話・英語のレッスンをご提供したり、英会話・英語講師を養成するためのセッションをやったりする生活をさせていただいていて、ありがたいことに年中忙しいんですが、初めに就職した進学塾や前職の英会話スクールというところは、極端な繁忙期がある業界でした。特に進学塾は「○○休み」や「受験期」が死ぬほど忙しい時期で、朝から晩まで働き詰めに働く。朝7時に出社して、退社するのは夜の12時過ぎなんてことはざらで、へたすると家に帰ってシャワーを浴びて服を着替えてすぐ会社に舞い戻るなんて生活です。
 そのなかでもつらいのは夏休みでして。
 暑いのもあるんだけど、なにより忙しい期間が長いんです。1日9コマ、14時間近く授業をやる期間が1ヶ月以上続くんですから、もう大変。最後のほうは、ふらふらのへとへとの、ひょ~ろひょろで、なにを見ても聞いても面白くなっちゃう。「徳さん、現在完了が判らないんだけど」なんて質問受けても面白くて高笑いし始める始末。ちょっと危ない状態です(笑)

 ただ、そうは言ってもお盆休みぐらいはちゃんとあって、7月の20日あたりから8月の15日まで「血の池地獄」にいたあと、一休みしてまた8月の20日過ぎから次は「針山地獄」が始まる。地獄がずっと続けばいいんだけど、下手に休みが入るもんだから、気力を奮い起こす必要があって、くっそぉ~生徒たちがおれを呼んでいる、なんてありもしない必要性で気力を奮い起こしながら、早起きして駅まで歩く。そうすると、冒頭のように「ああ、秋だな」と感じるんですね。で、電車に乗って地獄へ突入(笑)
 私にとっては忍び寄る秋の空気は、地獄の1丁目のサインになっています。

 と、まあ、そこまでの覚悟が必要な職場というのは異常にしても、休暇のあと職場に戻るのは世界共通で憂鬱なことと思っていたんですが、実はそうでもないようです。前職の英会話スクールでこんなやりとりがありました。

「ハロー! 元気!」
 小麦色に日焼けしたCatherineがオフィスに入って来るなりはじける。花柄のサマードレスに麦わら帽子で、夏を満喫している。
「ハロー」
 一番近くにいた玲子が、弱々しく返事をした。こちらも日焼けしているが、打って変って元気がない。
「あら、玲子、元気がないじゃん」
「だって、もう休み終わっちゃったのよ。憂鬱でしょぉ、ふつう」
 二人とも長期休暇明けで、1週間ぶりの出社だった。
「そう? 仕事は仕事で愉しいわよ」
仕事が愉しいねぇ~~~。ぜっんぜん、思わない! あたしなんかずっと休みが続けばいいと思っちゃうわ。休み明けは躰が重い」
「あはは。それって美味しいもの食べ過ぎたんじゃないの?」
「それもある」
 玲子はうっとりと宙を眺める。リゾート先での美味しいものを思い出したに違いない。
「でも、変ね。玲子は仕事が愉しくないの?」
 意外な質問に玲子は目を白黒させる。
「愉しいっていうか、仕事しなきゃ暮らせないからやってるだけよ。仕事しないで暮らせるなら、それがベストね」
「ふ~ん。仕事は苦役ってわけかぁ」
「まぁ、進んでやりたいわけじゃないわよね。嫌な人に頭下げなきゃならないことも多いし、ノルマもあるし、社長の変な方針に振り回されて残業はさせられるし」
「玲子さん、まる聞こえだよ」
 さすがに徳田から注意の声がかかる。副社長としては野放しにはできない(笑)
「あっ、すんまっせ~ん」
 と玲子は首をすくめて舌を出すと、すぐに仕事に取り掛かった。

 能力は高いし、仕事はできるし、進んで頼まれた以上のことをするのだが、本音はそんなところにあるわけだ。休み明けで、今日はたまたま口が滑ったというところか。まぁ、そんなところだろうなと徳田は思って、それ以上とがめる気も起らなかった。
 一方で徳田にとって意外だったのは、Catherineが仕事を愉しいと思っていることだった。Catherineも玲子と一緒で、労働は苦役派だと徳田は思っていた。

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