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30秒で、売り込む? 「英語のそこのところ」第83回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2015年7月9日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 エレベーターピッチという売り込み方がありまして、それをNative English Speakerからされたというお話です。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

最新刊!  
「英語の国の兵衛門」「英語のそこのところ」の作者徳田孝一郎の作った英語テキスト「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト9 形容詞とその仲間たち2(関係詞)」販売中!

 前巻の「形容詞とその仲間たち」で形容詞・不定詞の形容詞的用法・分詞を取り上げ、様々な表現をするスキルを身に着けていただきましたが、今回は、文で名詞を飾りたいときに使う関係代名詞・関係副詞です。
「質問をしてくる奴=私たちにいくつかの質問を頼む少年たち」
「あいつらがする質問=少年たちが私たちに頼むいくつかの質問」
と言った日本語を英語にする手順をすっきり身に着けることができます。

【本文】

 ずっと以前、英会話スクールのVice President をやっていた時に、こんなことがありました。
 President と一緒にヴェンチャー企業の異業種交流会に顔を出すことになったんです。IT関係の会社や、飲食店、工務店、不動産会社といろいろな会社の方が来ておられて、お互いに売り込み合う。飲食店の方や不動産会社の方なんかはやっぱり英語・英会話が必要と言う方もいて、詳しい話をさせていただき、実際に「今度、体験レッスンを受けるよ」なんてことにもなって、ありがたい会だったわけですが、集まったのがヴェンチャー企業というのがミソでしてね。こちらの話を聞きながら、それとなぁ~く、どういう風に業務をやっているのかを聞き出しにかかる方もいる。

「ああ、なるほど、ネットでお客さんの希望のレッスン場所や時間帯を聞いといて、その近くの講師を紹介するってことっすね。それって、講師だけが行くわけっすか?」
「いや、初めてお会いする際には、日本人のスタッフも行きます。どうやって受講するかの説明をしなければなりませんし、契約書のやり取りもありますし」
「ああ、そりゃ、そうっすね。そこだけは手間だわ」
 金髪にロン毛、肌は真っ黒、という飲食店の経営をしているという社長さんに説明していると、だんだん雲行きが怪しくなってくる。自分がレッスンを受けようって感じじゃないんです。で、いろいろ話していると、ぽっと、文脈を無視した質問。
「で、さぁ、講師ってどうやって見つけてくるわけ? やっぱ、ポンギとかで声かけんの?」
 あ、そこね、とわたしは内心ニヤリとする。英会話スクールって、儲かりそうだ、うまくノウハウを聞き出しておれもやろうってわけなんですね。
 ヴェンチャー企業の経営者の方って、こういう方が多かったですねぇ。生き馬の目を抜くとはこのことかと。自分の商売の営業だけじゃなくて、あわよくば新規参入を狙っている、油断も隙も、ついでに仁義もありゃしない。
 まぁ、わたしもそんなに馬鹿じゃないから、それらしいことを言って逃げを打ちます。
「そうですねぇ、やっぱり講師からの紹介が多いですよ。友人でいいやつがいるから、面接してもらえないかって」
 てな感じです。まあ、そんなことで講師が増えるわけないんですが、紹介で講師を見つけてるってのは本当っぽく聞こえるみたいで、よく使ってました。でも、しつこい人がいて、最初の一人目の講師はどうしたの? って突っ込んで訊かれたときには閉口しましたが。

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