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「おはようございます」がふくむもの「英語のそこのところ」第87回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2015年8月13日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
Native English Speakerというのは、原則どんな相手とも対等と思っています。このあたりは、立場で話をしたがるNative Japanese Speakerはもっとも気を付けないといけない点だと思います。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

お待たせしました! 最終巻発刊!  
「英語の国の兵衛門」「英語のそこのところ」の作者 徳田孝一郎の作った英語テキスト「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト10 基準を設定して比べる=比較表現」販売中!

 前巻の「形容詞とその仲間たち2 関係代名詞・関係副詞」で文で名詞を飾る関係代名詞・関係副詞のスキルを身に着けていただきましたが、今回は、「何かと同じぐらい」や、「何かより上」、「一番」ということを伝えたいときに使う比較の表現です。
「その塔は30階建てのビルと同じ高さです」
「フットボールを観ることはフットボールをするのと同じように面白い」
と言った日本語を英語にする手順をすっきり身に着けることができます。

【本文】

 ご存知の方もおられると思いますが、わたしは7年ほどNative English Speakerの講師を日本人にご紹介する会社にいました。もう最近はあまり見なくなりましたが、カフェなどでNative English SpeakerがNative Japanese Speakerに英会話を教えているのを見かけませんか? あれを始めた会社です。

 わたし自身は、語学カウンセラーという、英会話のスキルをアップするための学習方法の開発や、それを受講生の方にお伝えする部署を立ち上げるということで転職したのですが、そればっかりやっているわけにはいかなくて、忙しくなると講師を申込者にご紹介して、入会してもらうという外向きの営業にも駆り出されていました。朝は新宿、昼は池袋、夜は有楽町と山手線を往ったり来たりです。

 多くの場合、わたしが担当する方は同世代か上の方が多くて、これは申し込みの振り分けの担当者が意図的にやっていたことのようでした。若い子や特に帰国子女なんかだと礼儀がしっかりしていないところがある。その点おっさんのわたしなら大丈夫だろうということらしい。まあ、実際はそれほど礼儀正しくはないんですが、それなりに社会の水は飲んでるんで、午前中にお客様と待ち合わせして、いきなり、
「おはよう!」
 なんて挨拶はしません。ちゃんと、
「おはようございます」
 っていうぐらいの常識は持っている。
 求められていたのはその程度の礼儀なんですが、これ意外にできない人もいるんです(笑)まあ、帰国子女が多い職場だったからだとは思いますが。

 で、講師を紹介してトライアルレッスンを受けてもらう。内容は、自己紹介や学習の目的といったことで、だいたい30分ぐらいお互いに英語で話していただきます。この際に重要なのは、共通の話題を見つけること。同じような知識があると話が盛り上がりますからね。
 旅行が好きだとか、本が好きだとか、料理が好きだとか、ゴルフが好きだとか、その手の趣味的な共通項でもいいですし、同じような仕事をしているということでも構いません。なにか、同じものを見つければ、やり取りしやすい。
 講師にもそういうことは言ってあるので、トライアルレッスンをしながらそれとなく話を持って行ってもらうんですが、ある時上手く共通項が見つかったのに、ちょっと困ったことになったことがあります。

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