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らしく、それとも効率? 「英語のそこのところ」第50回

【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2014年11月6日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 Native English Speakerというのは、自分の内の正しさを優先する人たちですが、それは服装や持ち物にも影響します。周りに合わせようとしがちなNative Japanese Speakerにとっては奇異なことかもしれませんが、変な格好だなと思わずに許容してあげてください。(著者)

最新刊! 「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル2 時制・助動詞・名詞  オープン問題」

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト第5巻で、「英語を英語で考える」コツをつかむトレーニングがはじまりましたので、ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリルでも、「英語を英語で考える」トレーニングを始めます。

 助動詞をどういう判断基準で使うかは理解した(している)でも、もっとトレーニングしてぱっと英語が口から出てくるようにしたいという方にも、
 英会話はなんとかできるのだが、なめらかに英語が出てこない。どうしても、頭の中で日本語を考えて、それを英訳しているもっとスピードアップしたいという方にも、
 美味しい内容のトレーニングドリルです。
 今回はその内容をちょっとだけお見せします。

 頭の中で日本語を考えて、それを英訳する癖を抜くのに最も適したトレーニングは、実は、名詞節(that SV, whether SV, 疑問詞 SV)が含まれた日本語を英語にすることです。
 なんだ、言ってることが矛盾してるじゃないか?! 結局英訳しているぞ! 
 という方、ちょっと待ってください。
 私の言う「日本語を英語にする」というのは、日本語の文言をそのまま英語にするということではありません。
 日本語の文言から、その状況を想像し、それを英語にしていくのです。
 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト第1巻から、一貫して時制・助動詞を使う際に「判断基準」をトレーニングしたのはこのためです。

 たとえば、
「彼は、ここ何ヶ月かフットボールにハマってやってる」
という文を英語にする際に、「ハマって」という言葉に引きづられてしまえば、be hooked, be really into などイディオムを知らないと英語にできないことになります。
 しかし、「ここ何ヶ月かフットボールにハマってやってる」という状況を想像してください。いつもはほかのスポーツを一生懸命やってるけど、ここ何ヶ月か、だけフットボールをやっているんです。ならば、シンプルにこう書けばよいことになります。
He's playing football these months. 
 be doing という時制を使えば十分にあらわせるのです(理由は、English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト第2巻をどうぞ)。

 このような、日本語の文言から、その状況を想像し、それを英語にしていくトレーニングを繰り返すことで、頭の中で日本語を考えて、それを英訳する癖は抜けていきますが、そのトレーニングとして最も効果的なのが、前述した「名詞節が含まれた日本語を英語にする」ことです。
 たとえば、
「昨日、彼女が明後日ここに来るかどうかって、あいつ、みんなに訊いてたよ」
という文を英文にする際に、「来る」「訊いた」という言葉に引きづられてしまうと、
He asked everyone yesterday if she comes here the day after tomorrow.
としてしまいます。時制の一致という文法事項を知っている方ですと、
He asked everyone yesterday if she would come here the day after tomorrow.
とされるかもしれませんが、これも、日本語の意味するところをあらわしていません。

 ここで考えるべきなのが、日本語の意味する状況です。
・訊いたのはいつでしょう?
・彼女が来るのはいつでしょう?
・明後日は、いつのことでしょう?
 これらを想像して、使うべき時制や単語を選択するトレーニングがが、「英語を英語で考える」ことに繋がっていきます(回答例は末尾に、申し訳ないですが、有料です)。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 東京というところは、やはり世界への玄関口というだけあって外国人の方とすれ違うことが多いんですが、私の住む船橋も外国人の方をお見かけします。なにも住んでいるところ自慢をするつもりはないんですが、外国人の友人に話を聞いてみると船橋は成田にも羽田にも行きやすいので、便利な場所なのだとか。日本に初めて来た外国人はやっぱり東京の西のほうに住むようですが、慣れてくると東京の東のほうに住みたがるようです。あ、船橋は東京じゃありませんね。東京の人に、いや、船橋出身の人に怒られちゃう。ん? この場合、どっちの人が怒るのかな? 船橋を東京に組み入れるのって。ちょっと悩んじゃいます。

 それはともかく、街を歩いているとよく外国の方をお見かけするんですが、先日、駅前を歩いている外国人を見て、ふっと思い出したことがあります。
 彼、スーツを綺麗に着こなしていたんですが、iPadを持っているだけだったんです。
 これ、勤めていた英会話スクールでクレームにつながったことがありまして。

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