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「えいしょ」同人
2020年5月6日 08:28
おわりに短歌投稿企画「詠所(えいしょ)」、7日間にわたりご覧いただきありがとうございました。noteにて公開しましたデータの一覧をアップしますので、ぜひ読み返しにお役立ていただけますとうれしいです(末尾におまけこと編集後記がついています)。これまでの「詠所」記事まとめ・企画概要・評 1 2 3 4 5 6 7
2020年5月5日 08:40
最終日です。本日もよろしくお願いします。1.人よりも猫の頭が多い家あなたはここで育ったんだね (芍薬)中本・評人よりも猫の頭が多い家。それは、人よりも猫が多い家である。だが、「頭」という一語によって、読者は人と猫を「頭の数」で数えることになる。下の句の「あなたはここで育ったんだね」が、知人の家に対するごく普通の感想である。普通の感想を導いているからこそ、頭で数えるという変な認識が伝わって
2020年5月4日 08:38
いよいよ大詰めです。本日もよろしくお願いします。1.道化師は揺れながらスキップ ライオンはキメポーズよっこらせっと (紫)中本・評道化師は揺れながらスキップすることで観客の気持ちを浮き立たせる。ライオンがポーズを取る。サーカスの一場面だ。軽業のような限界を越えた動きではない。リラックスした場面だろう。道化師とライオンの役回りは、奇妙といえば奇妙である。人間の側が体の動きで魅せていて、猛獣
2020年5月3日 11:29
残り2日となりました。本日もよろしくお願いします。1.わたしにも嬉し泣きの回路があると知らされている阪急のシート (真野いずみ)平出・評それ、を「回路」って言える把握の仕方と、「嬉し泣き」をしているのであろう今の状態とが、印象としてはマッチしない、けど そう なんだよな、と思った。感情から生理現象が発生するときに、たぶん脳内にあるはずの経路のことを「回路」と表現することはままあるし、それ
2020年5月2日 08:27
折り返しです。本日もよろしくお願いします。1.幼子がするりと風船手ばなせば取り戻せないものまたひとつ (三浦なつ)中本・評浮くタイプの風船だろう。幼子が手放すと、上空へ飛んで、もう取り戻せなくなる。ただし、ここで「取り戻せない」と思っているのは幼子ではなく語り手である。「するり」と手放す幼子には、もしかしたら風船に対する執着は案外乏しいかもしれない。語り手によって、「取り戻せないものまた
2020年5月1日 08:22
本日もよろしくお願いします。1.夏の夜の汗と涙といろんななにかでぐちゃぐちゃになってするキスを (いこま)御殿山・評定型に押し込んでいけば、「夏の夜の/汗と涙と/いろんななに/かでぐちゃぐちゃに/なってするキスを」になるのか、音はやや余り気味で三句から四句にかけての跨りがある。勢いを感じる韻律なので、「いろんななにかで」をまるまる三句としても取れる。そのへんの荒っぽさが、歌意と合っていると
2020年4月30日 08:29
本日もよろしくお願いします。(↑前回分です。)1. 魔が差してHEY!してもいい? 長距離走選手を追いかける露出魔 (粕田熱湯)平出・評ダメだよ。いいわけないだろ犯罪だぞ。 と、真っ向からとりあえず言い返せるしそれ以降いくら考えたってその意見は変わらない。この歌のおもしろい(笑えるという意味で)ポイントは非常にわかりやすくて、(1)ダメに決まってるのに一応尋ねてくるのなんなんだ、(2)よ
2020年4月29日 08:30
それでは始めていきます。よろしくお願いします。1.春告げる宅配便が風に揺れひらひらと舞い地面に落ちる (天色凪) 御殿山・評「宅配便」の語から通常連想する大きさと重さ、が、この歌に不思議な読み味を与えてくれている。宅配便は普通、貨物として扱われるように、厚く、重量のあるものを想定するだろう。「風に揺れ」は理解できるが、「ひらひらと舞い地面に落ちる」は意外である。ここで描かれるある種の軽さ
2020年4月28日 19:00
はじめに(公開にあたって)先日募集いたしましたえいしょ同人短歌投稿企画 「詠所(えいしょ)」に、ご参加いただきありがとうございました!3日間の募集による投稿総数は43首となりました。たくさんのご参加、とてもうれしく思います。今回の企画で評をするにあたり、以下のようなかたちで進めています。・すべての作品を作者無記名の状態で同人メンバーに割り振りし、評を書く。(どの作品が誰のものか一切を伏せ
2020年3月29日 19:15
この企画では、投稿していただいた短歌作品すべてを「えいしょ」同人のメンバーが読み、誰かが必ず評をします。真剣に書きます。みなさま奮ってご参加ください。たくさんの作品をお待ちしております!募集要項作 品:自由詠・新作一人一首 ※既発表作品・二重投稿はご遠慮ください※期 間:4月4日(土)~4月6日(月)まで投稿先:こちら↓公 開:5月ごろnote上にて公開予定備 考・いただいた作品は