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グランド・イリュージョン

2013年公開
監督:ルイ・ルテリエ

<あらすじ>
 アメリカで路上マジシャンとして生きている4人、ダニエル、メリット、ヘンリー、ジャック。彼らのもとに謎のカードが突如現れる。カードには住所と集合時間がかかれており、バラバラだった4人が集められた。集められたアパートで彼らは使命を受ける。
 その使命を達成するために4人それぞれの特技を合わせ、大きなイリュージョンイベントを開催する。集まった観客たちは、様々なイリュージョンを目の当たりにし、大興奮。催眠術、イリュージョン、マジック、そして最後は想像を絶する瞬間移動の超常現象。選ばれた観客が瞬間移動した先はアメリカから遠く離れたフランスの銀行内金庫。
 銀行強盗をすると称して披露したマジックを発端に、FBI vs マジシャンの戦いが始まった。

☑受け取ったテーマ
 ・灯台下暗し
 ・エゴ
 ・盲目的思考

☑こんな人におすすめ
 ・大どんでん返しに驚愕したい人
 ・絶対的なイリュージョンを見たい人
 ・かっこいいアクション映画を見たい人
 アメリカ映画ならではのド派手なアクションも満載。ストーリーは若干展開が早く、伏線回収についていくのは少し大変かもしれません。しかし、イリュージョンを楽しむ(もちろん全て現実的というわけではないですが)には最高の作品でしょう。

☑作品の特徴
 監督は「トランスポーター」や「タイタンの戦い」を手掛けたルイ・ルテリエ。スタント、CG入り交じりつつも、アメリカンサイズのド級アクションのオンパレード。ストーリーの面白さもさることながら、胸アツシーンに見惚れてしまいます。

☑感想
 少々、前半から中盤にかけてストーリーを飲み込むのに時間がかかるかもしれません。やや急展開の詰め込み型ストーリーなので、序盤で集中してみることができるかどうか。そこをしっかり見ていれば、後半の怒涛の展開が大変面白くなります。

 近くで見れば見るほど、見えなくなる。最近では黒子のバスケのお陰で広がった「ミスディレクション」という技を指しているのでしょう。日本語で言えば、灯台下暗し、に近いでしょうか。自然に観客の注意をある方向に向け、注意がタネと別の方向へ向いた瞬間に、トリックを仕掛ける。マジックの基本です。
 わかっていても、なかなかそのトリックには気づくことができない。マジシャンの技術は素晴らしいものです。本作品では4人のマジシャンが登場します。催眠術、イリュージョン、手品師、スリ。スリに関しては何とも言えないところですが、この4人が力を合わせ、綿密に計画を立て、FBIを手のひらで躍らせるさまは痛快です。

 彼らはあくまで、ショウマン。綿密な計画を立てる様子や、彼らが裏で何をしているかは全く描かれていません。それはきっとこの映画自体が、私たち視聴者を「だましたい」からなのでしょう。
 ストーリー、アクション、挿入曲、どれをとっても流石と言える構成ですが、それらはミスディレクションのいわゆるデコイみたいなものでしょう。最後の最後、大どんでん返しがやってきます。最初から最後までイリュージョンを楽しめる傑作でした。

かっこいいなぁ。

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