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デジタル写真の家庭内ネットワーク管理環境(NAS活用)を整備、一安心!

ずっとやらねばと思っていたデジカメ・スマホで撮りためたデータの家庭内ネットワークができてほっとしている。長年の「肩の荷が降りた」という表現がまさに当てはまると言えるほどに。
自分の間違ったこだわりで、LAN内接続で引っかかっていた部分があり、ハード的には揃いながらも実現出来ないまま止まっていたのだが、あっさりフリーのアプリケーション導入でできてしまった。エンジニアとしてこんなに時間が掛かっては宜しくないが、まぁ、仕事じゃないことに頭がマインドフルに働いていないと言い訳しつつ、調査が足りなかった点は反省。
是非ともノウハウとNASをお勧めしたくシェアします。

デジタルデータが消える恐怖

はじめに「肩の荷が降りた」、とまで思わせたゆえんは、デジタルデータが消える恐怖が解消されたため
アナログな写真は火事で燃えたりしない限りは多少劣化しても消えることはない。しかし、デジタルデータはメモリカードの読み書き限界(意外に回数は少ない)、HDD(ハードディスクドライブ)の寿命・クラッシュ(5年程度か)、SSD(Solid State Drive,メモリドライブ)の寿命等を考えると、バックアップをとっていなければいつ突然消えてもおかしくない。またバックアップも3カ所は取っておかないと確率的に危うい。

それなりにバックアップは適宜しているが、完全に3箇所以上に分散していないことと、家族各自がスマフォで個別に管理していること、クラウドに保存しているわけではないので、こちらも端末の故障と共に消え兼ねない。自分の管理だけでも2万枚近くあるので、家族合わせれば5万~10万枚はあるはず。これらが消えてしまうことは、よく言われる火事等でアルバムが消失した時に一番ショックだという思い出がなくなったという衝撃を受けることになる。

そこで、この恐怖を解消すべく、このまとまった時間が取れるStay Homeな期間中に掲げた予定の1つ、家族の写真データのバックアップと共有のためのネットワーク&センタライズ化、時間があるときに各自がベスト写真を選択できる仕組み作りに取りかかった。

家族写真の管理の課題

システム構築前に課題認識から始めよう。

デジタルカメラを1999年に初購入したので、もう20年分のデジタル写真&動画データがある。
そして、携帯電話はカメラ付きが2000年初頭から標準となり、1人1台電話をもち、お父さんだけがカメラマンだったのが、今や家族の誰もがカメラマン化。当然写真も激増。

今では1人1台以上の撮影手段がある。同じイベントに対して、家族が撮ったら後でもらう積もりで自分は撮らないこともある。そして、たいていそのまま忘れてしまうか、家族のLINEにあげる程度。LINEでもアルバムにしておかないと、保存時間を過ぎるとなくなってしまうし、容量も小さい。また、LINEの写真はアップロード時に画質を自動で落としているので、経由して保存するとオリジナル解像度でなくなってしまう。

こういう状況で、家族でのデジタル写真の管理には次の問題があると認識。

1.バックアップしていない。
  私以外機器が壊れてデータがなくなる、という危機感が薄い。スマホに入ったデータは特にそのままになりがち。
2.共有できていない。
  同じイベントのデータはまとめて置きたいが、それぞれの端末にデータがある。
3.2とも関連して、アルバムのように整理されていない。
  イベントのすべての写真が集まっていないので、ベストセレクションも選定出来ず、アルバム化されていない
4.過去データに各自がアクセスできない。
  過去データは私のデジカメ主体で撮られている故に、PCで管理。他の人からはアクセスが面倒。PCはマルチユーザモードで、家族写真は共有フォルダに入れているので見ることはできるものの、家族はスマホ端末からアクセスしたい

まずは、1を解決すべく、ネットワーク接続できるハードディスク(NAS: Network Attached Storage)を随分前に購入したが、結局自分が管理している過去のデジタルデータのバックアップにしか使っておらず、2~4の解決が出来ていなかった。
従って、特にこの課題を解決するために、各自がアップロードして集めて、ベストセレクトできる機能までをターゲットとした。

実現ターゲット機能

実現ターゲットはミニマム下記とする。( 「⇒」は目的 )

1.各自スマホで家庭内WiFi経由でNAS(家庭内サーバ)にアクセス
2.過去データを年月日毎に読み出せ、別フォルダに書き込みできる
  ⇒ 各自の過去データの集約とベストセレクションの選定
3.新規データをバックアップ
  ⇒ バックアップを取ること、スマホの容量削減、データ集約

他にも家庭内ではなく、外出先からもアクセスできるが、今回はスコープ外とした。スマホのパケットデータ量が多くなるためである。またNASを使うのも既に購入しているためで、ゼロから構築する場合有償のクラウドサービスでしかるべきデータ容量を使う方が楽かも知れませんので、比較検討して選んでください。

システム構成

家庭内ネットワークは下記の図のようなシステム構成となっている。
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現在できている部分は、PCとNASのWiFiルータ経由での接続まで。NASはBuffaloのLink Stationシリーズで、Buffalo NAS Navigator2アプリケーションを使って接続している。

これまで自分のデータだけ保存していたので、家族分のユーザ、パスワード設定、ファイルシェア用(shareフォルダ)と家族写真用(FamilyPicture)に対してアクセス権(書き込み・読み出し可)を設定する。

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メーカーアプリケーションNAS Navigator2のメニュー/プロパティからWeb設定画面を開く

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管理者としてログインすると設定画面が出る。共有フォルダーのアクセス権を変えるために選択する。

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ユーザを選択して、それぞれ書き込み可能にアクセス権を設定する。

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次にネットワーク的にやるべきことは、スマホやタブレットからNASへアクセスすることだ。ここを越えられなかった理由が、冒頭に書いた「間違ったこだわり」。メーカ提供アプリケーションでないと動かないものと思い込んでしまっていた。メーカのAndroidアプリを入れて、設定したユーザログインとフォルダへのアクセス許可設定をしているのになぜかそのフォルダにアクセスできない。

ローカルで接続できないので、スコープ外であるWebアクセス(図の下部分)を試みるも、UPnP設定の関係でWebアクセス用の名前設定ができない。

同じような症状で困っていないか調べたところ、ローカル接続にはフリーのファイルマネージメントアプリを使っているではないか?
な~んだ、と思ってアプリ検討をして、AndroidはCXファイルエクスプローラを、iPhoneはEFエクスプローラをインストールした。

CX ファイルエクスプローラは次のようにリモートのSMBを選択した後に出てくる画面で、NASのIPアドレスと、ユーザログイン名とパスワードを登録すれば上記自分がアクセス可能なフォルダを見ることができる。

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iPhone用もいくつかあるが、評価の高そうなEF Explorerを選択し、ほぼ同様の設定でアクセスができた。

今回大いに反省すべきは、メーカ提供アプリケーションでないとアクセスできないと思い込んでしまい、それにこだわって止まっていたこと。結局データを集めること、3箇所にコピーすることに時間の大半を使ったのでロスは少なかったものの、構築できない不安期間の長さを考えるとWebアクセス設定にこだわらず、LAN内ローカル接続でできることを検索して探せばすぐ解決したはず。これは、場所を変えて気分を変えてリビングで検索したらわかったわけで、発想の転換のお手本みたいなソリューションへの流れであった。肝に銘じておこう。

PC連動節電機能対応

ただし、NASを常時電源オンにしたくない。高断熱住宅はWiFiルータを置くだけでもその熱をキープして結構室温が上がってしまうのだ。PC連動節電機能がついており、PCの起動とスリープに対応して、NASも電源がオンオフされるが、スマホからアクセスしたい場合にはこのままで電源が入らない。
そこで、Wake up LAN on NAS(Android)アプリを入れた。PCでは5分間信号がないとNASの電源が切れるので、2分毎に「動作してますよ」と知らせるパケットを送る設定にした。TCP/IPのポートはデフォルトの9ではなく、バッファロのNASでは9000番であることに注意。この設定をしてNASが自動で立ち上がるところまでは確認できた。

NASを使って出来る事は実はまだまだあるので、おいおい次の項目もやっていこうと思う。

・外出先からWebアクセス
・スマホからのデジタル写真自動アップロード
・音楽サーバ、映像サーバ
・DLNA対応機器(PS3、BDレコーダ、TV、PC等)からのメディアアクセス

あとは運用ルール作り

さすがに20年前の写真は懐かしいらしく、昨日雨の午後、みな過去の写真や飼っていたうさぎなどみていたようだ。ネザーランドワーフ、かわゆい。

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あとは運用ルールをどうするかだが、基本的には各自が自分の名前+日付を付けてフォルダ作成してアップロード、時間があるときに気にいった写真を1/10未満の割合でベストセレクションフォルダーにコピーするというルールを作った。今のところはこのぐらいのゆるいルールでまずはデータ集約する意識を持ってもらえば十分かと。

 それにしても、何年越しの課題がクリアできたことの解放感は大きい。データが集まれば、ちょっとずつアルバム化できるし、貯めて置きさえすればこういう作業はAIが一瞬でやってくれる時代が来るだろう。が、笑っている写真ばかりでなく、泣いている写真とかも意図的に撮っている。これが可愛いという所までAIが判断して選んでくれるかは分らないので、ここはマニュアルでマイセレクションさせてもらおう。



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