見出し画像

京都・祇園祭の山鉾巡行「ショーではない」…プレミアム席を八坂神社宮司が問題視、市観光協会理事辞任の意向(読売新聞より)

京都・祇園祭の 山鉾やまほこ 巡行で京都市観光協会が販売する「プレミアム観覧席」を巡り、祭を執り行う八坂神社(京都市東山区)の野村明義宮司(65)が、同協会の理事を辞任する意向を示していることがわかった。プレミアム観覧席は昨年導入され、酒類やかき氷などが提供される。同神社によると、野村宮司は「山鉾巡行は神事で、お酒を楽しみながら見るショーではない」と話しているという。

(中略)海外の富裕層向けの試みとして昨年、1席40万円で導入し、今夏は内容を見直して価格を抑えた。

宮司の考え方と辞任の判断は真っ当だと思います。

神事をお金儲けの道具とし、「海外の富裕層」という漠然とした顧客層に夢見ている事自体、憂うべき状況だと思います。

そもそも外国の方の一部は、日本が無宗教であると思っているわけで、神社やお寺が「宗教的な施設」だという意識がないのですね。しかも神事もイベント化、世俗化などをしていたら尚更です。

神事のイベント化、世俗化、拝金主義化によって、神社・神事やお寺に来る外国人層も、「騒ぎたい人達」「日本に来る事がステータスなだけの成金系の人達」「神社・神事・お寺の歴史には興味がなく、真剣に学ぼうとしない人達」が多くなってしまいます。

実際神事だけでなく、観光立国と称したインバウンド政策を行うようになってからは、訪日外国人の間で「日本に来る事がステータスなだけの成金達」「日本の文化や風習に興味がなく、あっても真剣に学ぼうとしない人達」「騒ぎたい迷惑系な人達」が目立ちすぎるようになってしまいました。

多くのイベントや行事、お祭りでは「海外の富裕層」向けに高額な有料席を販売しています。
もちろんその全てを否定するつもりはありませんし、成功した事例もあると思いますが、イベント主催者、観光協会の関係者、自治体関係者は、「海外富裕層」について
・具体的にどこ出身の外国人?
・富裕層とはどの経済的レベル?
・プレミアム有料席の料金が払えるような人でも、イベント自体、有料席自体に需要はあるのか?価格は適正なのか?
・有料席の設備等の安全対策は十分なのか?

と思った事があるのか、ましてや上記の観点を踏まえたマーケティングリサーチを本格的に行った上で実施しているのか疑問に思います。

プレミアム有料席に限らず、観光業界や自治体が考える「需要」と実際の「需要」には大きな剥離があるケースが少なくありません。そうしたギャップは「そもそもどのような需要があるのか」「日本の文化、風習、マナー、モラルが理解出来る外国人に来てもらう事」を考えず、ただ「お金になりそうな事」「今どき流行っている事」しか考えていないからではないでしょうか。

神事を神事として実施し、イベント化しない事。
外国人観光客を重視した観光のあり方をやめる事。
観光業界や自治体が考える重要と実際の需要にギャップがないように、マーケティングリサーチを実施する事。

これらを実施すれば、観光も健全なものとなっていくと思いますね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?