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「シギント 最強のインテリジェンス」-茂田忠良×江崎道朗 【読書記録】


この書籍では、シギント(通信や信号諜報)*signals intelligence略してSIGNT(シギント)と世界各国の現状についてわかりやすく解説しています。
犯罪、テロ、戦争(ハイブリッド戦争を含む)などと効率的に向き合い、国民を守るためには、国家による様々な諜報活動が重要で、その中でシギントが現代においてかなり重要視されています。この本を読むと、他の先進国と比べてシギントやインテリジェンス全般に関する体制の不在・不備、及び法律による縛りで、サイバー犯罪、テロ、ハイブリッド戦争などにおいて日本がどれだけ不利であるかが実感できます。

その不利な状況というのは様々な要因(例えば戦後GHQの方針やその方針を戦後ずっと受け入れ、日本人自身が次の世代と更にその次の世代へと刷り込んできた事など)があります。

明治時代では、近代化をしないと当時の国際情勢には立ち向かえない状況まで来ていました。
その中で他国の良い制度や技術を参考・利用しつつも、日本らしさを保ったまま近代化を成し遂げました。現在の国際情勢や厳しい隣国との状況を踏まえますと、シギントを含むインテリジェンスに力を入れ、米NSAやUKUSA(いわゆるファイブ・アイズ)が保持するような諜報機関がないと、国も国民も守れない状況まで来てしまっています。

日本も国家安全保障戦略を打ち出し、安全保障会議などで連携した活動がしやすくなったのも事実ですが、現状としては制度・法律・予算・人員の面で課題が山積みであり、世界各国の動向や実態を知ると、問題解決に向けての第一歩へのヒントとなるのではないかと思います。

これも読んでおくといいですね:

国家安全保障戦略の安保三文書
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/guideline/index.html
国家防衛戦略の概要
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/guideline/pdf/security_strategy_outline.pdf
国家安全保障戦略について(和文)
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/guideline/pdf/security_strategy.pdf


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