【お題歌詞9】お暇

お暇

“長い間お世話になりました”
“私はあなたに尽してきました”
“私は私のすべてをあなたに捧げました”
“あなたから頂いたのはわずかばかりの愛情と数えきれない幸せです”
“そろそろお暇をください”

そう書き残して部屋を出る
キーリングから部屋の鍵 外そうとするけれど
ぐるり絡みつく赤い紐 昨日のあなたのようね
泣きすがるあなたの手を 振り払い私は言った
“お暇をください”

あなたどうかわかって 私のこの気持ちを
あなたを嫌いになったんじゃない
あなたに愛想尽きたんじゃない
私はただ自由になりたいのよ

見慣れた町を小走りに通る
立ち止まると私の右に あなたの横顔見えそうで
ゆらりぼやけた白い線 さっきのあなたのようね
強がってみても泣いている その背中に小声で言った
“お暇をください”

あなたどうしてわからないの? 私のこの気持ちを
あなたを傷つけたいわけじゃない
あなたを忘れたいわけじゃない
私はただ自由になりたいのよ 今だけは

“さよなら”なんて言ってないでしょ
さよならは別れの台詞 思い出までも消える
ふわり追い抜く甘い匂い あなたの香水のようね
涙見せぬ私の肩を 抱いてあなたはそっと言った
“いつかまた…会える日までお暇”

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【歌詞エピソード】

友だちから送られてきた時「おひま」なのか「おいとま」なのかわからず、???となったお題。短編ver.は落語風に書いたバカ話。歌詞ver.だと何故かラブソング風。しかも失恋、別れ際。どうせなら恋に浮かれた明るいラブソングを書きたい!と思うけど恋と縁遠いからなぁ………(今年最初のおみくじからも『恋愛 一線は越えるな』と言われた泣)


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