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【作品:29】同人誌の装丁:6色の中扉

※この記事は以前のブログからの再掲です。

「TWILIGHT MOMENTS」
サークル名:twilight blue、はなたば 様(twitterpixiv
デザイン担当:tam 様

サンバセットでご注文いただきました。
柔らかい水色を基調とした表紙に、金の箔が散りばめられています。
箔と絵柄が接するような、細かな位置合わせが必要になる箔デザインだとデータ修正をお願いしていますが、絵柄が簡易で数ミリの箔位置ズレについては了承いただける旨をご記載の場合、そのままご対応しております。
絵柄によってはズレを許容いただいても修正をお願いすることがありますのでご承知おきください。

遊び紙には「タントTS-10」を使用。
TS-10は表面に植物を思わせる柄を、裏面に微細なハニカム模様のエンボスパターンをあしらったエレガントな用紙です。ハニカム部分は多少透け感があるので、下にある太い文字などはうっすらと見えるようです。

そしてとても印象的なのがこちらの鮮やかな中扉。
中扉は全6カ所ありますが、そのどれも違う色のインクで印刷しています。
一つ一つは単色ですが、1冊の中に複数まとまっているととてもカラフルな印象を受けます。

よく見ると表紙にも各中扉と同じ色味・モチーフが使われています。
読んで気づく楽しみのある、表紙と本文が関係しあった素敵な装丁です。

このような本文の色替え方法として、定番の手段は下記2点が上げられます。

本文インキ色替え」は1色ごとに1か所分の料金が必要となるので、通常はこの2つだと「カラー本文差替」をお勧めするかと思います。

今回は「本文と色刷り部分の紙種を合わせたい、裏側は黒で文字を刷りたい」とのご希望に沿う方法を模索した結果、紙替えでもインキ替えでもなく「両面/単色チラシを挟み込む」という方法をご提案しました。

単色チラシは片面ずつ印刷色を指定できて、紙種も「上質紙」を使用できます。
今回ご希望いただいた注文の仕様にはこの方法がぴったりでした。
この方法はオンデマンドでは対応できず、またオフセットでも超大部数には不向きな手段となります。
基本的にはオンデマンドであれば「カラー本文差替」、超大部数のオフセットであれば「本文インキ色替え」が最もお勧めとなりますのでご注意ください。

■お客様コメント
再録本を作るにあたり、小説だとどうしても小口が真っ白になってしまうので、なんとかして話の区切りを分かりやすくできないかと考えておりました。
そんな時に栄光さんのブログで過去に紹介されていた作品を拝見し、この仕様しかない!とピンときたため、栄光さんにお願いすることにしました。大満足の出来栄えです。本当にありがとうございます!
当時から話ごとにテーマカラーとテーマモチーフを決めていたため、それをデザイン担当の友人に伝え、表紙や中扉のデザイン・配色に利用しています。
遊び紙は前から使ってみたかったタントTS-10を使用。タイトルが少し透けて見えるのもお気に入りです。紙替えにも快く対応いただき、ありがとうございます。

■仕様
セット:サンバセット(オフセット)
表面加工:マットPP
本文用紙:上質70kg
遊び紙:タントセレクトTS-10 100kg N-9
オプション:箔押し加工(金)遊び紙 紙替えチラシ(両面単色印刷)×6種(上質70kg)※
※挟み込み代が別途必要となります。納期と合わせて要お見積もり。

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