カナダ・イエローナイフでレベル5のオーロラ爆発を鑑賞する方法!
カナダのイエローナイフで、長年憧れていたオーロラを鑑賞しました。幸運にも「オーロラ爆発」と呼ばれる最高レベルのオーロラを目にすることができ、その美しさは言葉を失うほどでした。
オーロラ観賞を考えている方に、夏のイエローナイフでのオーロラ鑑賞体験をお伝えしたいと思います。
1. オーロラは夏に鑑賞できるの?
オーロラと聞くと、「北極圏の極寒地で冬に観られる」というイメージがあるかもしれません。私も以前は、冬の寒い時期にしか観られないと思っていました。
しかし、イエローナイフは、オーロラが出現するオーロラベルトの真下に位置するので、夏〜秋(8月中旬~9月)にも鑑賞することができます。この時期の平均気温は4~18℃。これなら子供連れでも、寒さの苦手な人でも鑑賞しやいですよね。
2. レベル5のオーロラ爆発!!
【オーロラ鑑賞ツアー】
私はカナダ在住なので、イエローナイフまでのフライトやホテルは自分で手配しましたが、現地では日本人の運営するオーロラ鑑賞ツアーに参加しました。日本の大手旅行会社とも提携していて、日本からの参加者の方と一緒に鑑賞しました。後述しますが、初めての人はツアーに参加するのがおすすめです。
日本からの参加者は約8割が年配の女性で、「世界中を旅したので最後にオーロラを見に来た」「オーロラが好きでフィンランドやアラスカにも行ったことがある」「イエローナイフでの鑑賞は2度目」など旅慣れた方が多かったです。残りの2割は女性に同伴している旦那様、バックパッカーの若い方でした。
【鑑賞時間】
ツアーのオーロラ鑑賞時間は毎日夜の22時から3時。夜9時半ごろホテルに迎えのバスが来て、深夜3時までオーロラ鑑賞するというプランです。
【鑑賞場所】
ツアーでは、市内から車で30分ほどの鑑賞地に専用のテントがあり、テントで待機をしながらオーロラが出るのを待ったり、「オーロラホッピング」といってオーロラが出やすい場所や湖をバスで移動しながら鑑賞しました。
【最高レベルのオーロラが出現!】
イエローナイフは、3日間の滞在で98%のオーロラ出現率と言われています。そのため3~4泊する人が多く、私達も3泊して3回オーロラを観るチャンスがあるスケジュールにしました。とはいえ、「3日滞在したけれど鑑賞できなかった」という声も多く聞いていたので「1回でも良いからオーロラを観たい!(観られたらラッキー)」と思って現地に向かいました。
●1日目
天気も良くオーロラ出現率が高いという予報だったのに、夜2時半まで鑑賞地のテントで待っても、オーロラの出る気配はなし……。数えきれないほどの星が出ていて、星空を観るだけでも美しかったのですが。
「今日は難しそうだな。美しい星空観賞で終わりか」と思っていたところ、ガイドさんが「出る気配があるので、もう少し粘りましょう」と本来だったらホテルに戻る時間なのに待ってくれました。
そして、突然のオーロラ爆発!!
空一面にピンクや緑の光が激しく揺れ動きます。諦めていただけに、突然のことにその美しい姿に息を呑み、写真におさめるのも忘れて見入ってしまいました。少し落ち着いてから、感動しながら写真を撮りまくりましたが(笑)
写真には、実際に目で見るより濃いオーロラが映しだされます。
実はオーロラが動くという印象があまりなかったのですが、この日のオーロラはゆっくり動いていました。
そして頭上にも美しいオーロラが!「オーロラベルト」という名前は聞いたことがったのですが、実際で目で見て、こういうものなのかと理解できました。
肉眼でピンクの光がここまで見えることは少ないそうで、ガイドさんもこのレベルのオーロラは1年に数回鑑賞できるかどうかと言っていました。初日にかなり貴重な体験をしてしまったようです。
【オーロラのレベル】
オーロラには強度のレベルがあり、見える色や規模が異なります。場所によってレベル分けは違うそうですが、イエローナイフでは、オーロラの見え方を5段階のレベルに分けています。
≪オーロラレベル≫
レベル1…オーロラが観測できない
レベル2…オーロラが停滞していて、鮮明ではないが確認できる
レベル3…オーロラが誰にでも見れて、多少の動きも確認できる
レベル4…明るく鮮明なオーロラが見え、動きのあるオーロラが観測できる
レベル5…オーロラ爆発観測日「ブレイクアップ」
一般的に「オーロラを見た」と実感できるのは、レベル3以上が出現した時と言われています。
私の肌感覚ですが、3日で98%の出現率なのに「オーロラを見られなかった」と言っている人が多いように感じていました。3日で98%の出現率はレベル1、2も含むからではないかと思います。
また、レベル5のオーロラ爆発は観測できる日が少ないようです。その美しさは本当に圧巻で、空一面に色鮮やかな光が広がり、ピンクや赤といった色も肉眼でも確認できました。
オーロラは酸素と窒素の化学反応で発生するため、赤や緑など色の変化も魅力です。実はオーロラの詳しい知識を持たずに鑑賞に行ったので、初日オーロラ爆発が起きたときは、ただただその美しさに驚いていましたが、詳しく話を聞いてかなり貴重なオーロラだったのだなと気がつきました。
●2日目
1日目に鑑賞できたので、心に余裕を持ちながら2日目もバスでオーロラ鑑賞に向かいました。この日もレベル4のオーロラが出現しました!
この日は湖でも鑑賞ができ、水面に映るオーロラは幻想的で、一度は観てほしい絶景です。これは逆さオーロラと言います。10月には湖が凍りだすので、この逆さオーロラを見られるのは夏の時期だけなので貴重です。
●3日目
この日もレベル4のオーロラ鑑賞ができました。3日目にもなると、やや「慣れ」も出てきて(笑)、初日に比べると写真の数も減りました。いくら慣れたといっても、その美しさは格別でしたが。
実は私達が到着する直前の3日間は3日連続で鑑賞できなかったそうです。本当にオーロラ鑑賞ができるか否かは運次第だと思いました。
3. カナダでのオーロラ鑑賞、どこがお勧め?
カナダのオーロラ鑑賞では「イエローナイフ」と「ホワイトホース」が有名です。
観測データによりますが、3日間の滞在でのオーロラ出現率はイエローナイフが98%、ホワイトホースが95%で、二つの場所の鑑賞率の差は数パーセントです。しかし、今回は旅の目的がオーロラだったので、数%でも鑑賞率が高いイエローナイフを選びました。結果的には、大正解でした。
イエローナイフがオーロラ鑑賞に適している理由
イエローナイフがオーロラ観賞に適している理由は、以下のような好条件が揃っているためです。
オーロラベルト直下:イエローナイフは「オーロラベルト」と呼ばれる高いオーロラ発生エリアの直下に位置しています。
安定した天候:晴れの日が多く、オーロラ鑑賞に必要な「星空が見える暗闇」を得やすいのも魅力です。
山がない地形:ホワイトホースなどの他の鑑賞地には山があり、視界を遮ることもありますが、イエローナイフは平坦な地形が多く、広い夜空を存分に楽しむことができます。
4. オーロラ鑑賞におすすめの時期
イエローナイフでオーロラ鑑賞できる時期は、8月中旬から9月末、11月末から4月頃です。気温がグッと冷え込んで空気がきれいになる冬場には特に綺麗に観られる可能性が高いと言われていますが、真冬は写真を1枚撮ったらテントに戻らないといけないような寒さです。
そのため、現地ガイドさんは「3月、4月、9月がおすすめ」と言っていました。特に9月は湖面に逆さオーロラが映ることもあり、秋ならではの絶景が楽しめます。4月もオーロラが出やすい時期ですが、日が長くなるため夜空が十分に暗くならないこともあるようです。
5. レベル5のオーロラ爆発を観る方法
オーロラを観賞するためには、一般的に暗闇と晴れた空が必要です。しかし暗闇で晴れた空でも必ずオーロラが観られるとは限りません。
現地ガイドさんが、初日鑑賞に行く前に、オーロラを観る条件は「暗闇、晴れた空、諦めない心」ですと言っていました。中でも一番大事なのは「諦めない心」と言っていました。
最初はその意味がよくわからなかったのですが、初日に「もう観られないだろう」と諦めかけていたときにオーロラ爆発が現れたので、こういうことかと腹落ちしました。
そして、そろそろオーロラが出そうだとか、この場所では見られそうだということは初めて行った人ではわからないと思います。ですから、私はツアーに参加して詳しい現地ガイドさんに案内してもらうのが良いと思います。また夏とはいえ寒いので車の中で待つより鑑賞地のテントで待つ方が快適です。
そして、本来のツアー時間を超えて鑑賞できるというのは日本だったら普通のことかもしれませんが、カナダのツアーだったら、「オーロラが出そうだけども、3時にはホテルに戻るスケジュールだから」とツアーが打ち切られていたのではないかと思います。良くも悪くも仕事時間を守る人々なので。こんな理由からも「日本人が運営しているツアー」に入るのはおすすめです。
オーロラは自然現象である以上、タイミングが合わないと見られないこともありますが、粘り強く待つことできっと素晴らしい光景に出会えると思います。「諦めない心」を持っていれば(笑)
この記事が、皆さんのオーロラ鑑賞の参考になれば嬉しいです。
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