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「すきだらけのビストロ」を読んで

「すきだらけ」には、「好きなものばかり」と「隙がありすぎる」の2パターンありますが、この場合は前者。

この作者らしい、美味しそうな料理を中心に、それを取り巻く人たち(シェフ・ギャルソンという店側と、いろいろな客側)とのストーリー。いろいろな悩みを抱えている人がこのビストロで食事をしたことを契機に、前向きに解決に向かっていく、というのは作者のお得意パターン。

それがあまりにファンタジーだと言われたのかもしれませんが、むしろ逆手にとって、この作品はファンタジーに振り切っています。ビストロの舞台も、料理の中身も、夢の世界のよう。

最後に綺麗に伏線を回収・・・なのですが、切れ味は前作の方が上だったかな。もっとも、本作の「伏線」もある意味ファンタジーだから、むしろクリアにならないほうが美しくまとまるのかもね。

私も、私の好きなもので生活を満たしたい・・・と夢想しましたが、私の「好きなもの」はとりとめがないのですよね。今の私の部屋はある意味、「私の好きなもの」を反映しているんだな(ああっ、センスが問われる・・・!)。

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