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水族館ショーの進化

もうずいぶん前、おそらくは10年以上前になるかと思うのですが、留学生と水族館に行ったことがあるのですよ。

学会で行った先でたまたま午後のスケジュールが開いていたんだったかな。あまりよく覚えていないのですが、わざわざ行ったというよりは、時間つぶしに行ったくらいな感じでした。

この時一緒だったのは東アフリカ出身の学生2人。東アフリカだって海に面しているのですが、彼らの住んでいるエリアは内陸側なのでほとんど海には縁がなく、ましてや水族館も初めて。いろいろ展示を見た後にイルカショーがあって、留学生と並んで見たのです。

私自身は水族館マニアではないものの、それなりに行く機会があるからでしょう。イルカショーも別に初めてではないので、目の前のショーを見ながら「おー、すごいなー」と思う程度だったんですけどね。

ショーが終わった後に横の2人を見て愕然。2人とも、涙を流さんばかりに感動しているのです。

「生まれて初めて見た」「人間とイルカがコミュニケーションをとるなんて」「イルカってあんなに賢いのか」「すごくかわいかった」と2人同時にまくしたてられて私のリスニング能力も限界。

ショーは一日に何度もやってるよ、と話したら「もう一回見たい!!」と2人とも目を輝かせるではないですか。なので2時間くらい待ったんじゃなかったかな。2回目はもっと前の席で見て、さらに感動に打ち震える2人を見ながらむしろ私のほうが感動したのでした。

水族館のショーを見るたびに、この時の純粋な感動を忘れてはならないなあと思い出します。

とはいえ、人間というのはすぐ「慣れる」もので、最初は「すごい」と感動しても、徐々に「そんなのフツー」になっちゃうんですよね。となるとショーを提供する側もさらに観客を楽しませたり驚かせたりする工夫をしなくちゃいけない。

ここ数年、水族館に行くと、ショーの内容がずいぶん変わってきているなあと感じます。イルカの高いジャンプを見て「すごーい」だけじゃないんですね。

先日行った仙台うみの杜水族館は、水中の動物だけでなく、鳥が出てきたり、さらには他の動物(ヒトも含む)とのコラボもあったりして、なんだか圧倒されてしまいました。これだけのショーをするためには相当な訓練をしているのだろうなあと思ったり。

よく「イルカのお姉さん」みたいな感じで紹介されますけど、「イルカのオバサン」とか「イルカのオジサン」はあまり出てこないことを考えると、うーん、この仕事はかなり体力勝負なんですかね。