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九州のおかしな歩き方

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九州の郷土菓子、ご当地スイーツ・パン、銘菓本店を巡る旅
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#シュガーロード

011_鶴屋 本店の南蛮菓子【佐賀】

佐賀のお菓子を語るのに避けて通れないのが長崎街道。 別名シュガーロード。 長崎から小倉までの228km、長崎街道を通って海外から出島に入った砂糖は京や江戸へと運ばれて行く。 長崎街道沿いは、砂糖やお菓子作りのノウハウが流通しやすく、菓子文化が発達していったのだった。 日本を代表するお菓子メーカー、グリコ・森永の創業者はどちらも佐賀出身である。 また、ポルトガルから伝わったお菓子が、カステラや丸ぼうろ、金平糖などのような南蛮菓子として、日本独自の進化をしたお菓子になって根付い

012_北島 本店の丸ぼうろ【佐賀】

丸ぼうろで有名な老舗店、北島。 丸ぼうろ 86円 気になっていた「オブリガード(丸ぼうろを生姜の糖蜜でコーティング)」は残念ながら製造中止。 ここは近隣の有料駐車場にとめなければいけないので、丸ぼうろ1つ買うだけってもったいない気がして、「玄ぼうろ」なるものも買ってみた。 黒糖の糖蜜でコーティング、生姜がきいていてクセになる味、パクパクいってしまう。 北島 白山本店 佐賀市白山2-2-5 (2018.2.28)

027_松翁軒のカステラ【長崎】

ポルトガルから伝わった南蛮菓子の日本バージョン。 砂糖が入ってきた出島のある長崎市にはカステラで有名な名店がたくさん。 松翁軒は江戸の中期(1681年)創業、以後カステラを作り続ける。 せっかくなので本店2F喫茶室セヴィリアで五三焼を。 五三焼は、砂糖、卵黄を増やし卵白を減らした濃厚贅沢カステラ。 松翁軒 本店 長崎県長崎市魚の町3-19 五三焼セット(2切&ドリンク) 1000円 (2018.3.6)

030_ひよ子本舗吉野堂のひよ子【福岡】

かわいい。 上から見ても横から見てもかわいい。 どうかと思うのですよ、お菓子として。 食べるのに躊躇するくらいかわいいって。 愛され続けるという言葉がピッタリのお菓子。 ひよ子が生まれた飯塚市は、長崎と小倉を結ぶ砂糖が通った道、シュガーロード沿いにあり、昔からお菓子づくりが盛ん。 しかも、ここは明治初期から炭坑で栄える。 現在、本社は福岡市にあるのだけど、飯塚市にある穂波工場へ行った。 もしかすると、焼きたてが食べられるかもしれない、そんな甘い期待を胸に。 結果、焼

031_千鳥屋の千鳥饅頭【福岡】

ゆるい。 このゆるさがかわいい、千鳥饅頭の刻印。 千鳥饅頭は1927年(昭和2年)誕生。 中に白餡が入ったカステラ饅頭。 かつて日本一の炭鉱地帯だった筑豊。 江戸時代、長崎街道を通じて筑豊にも南蛮菓子がもたらされる。 これが明治以降、炭鉱景気背景に数多く生まれた銘菓の誕生につながるってなんかもうこうロマンすら感じる。 重労働を担う炭鉱の人たちがエネルギー源に甘いお菓子を好んだのも、菓子作りが盛んになるのに拍車をかける。 千鳥屋本家、先祖がお菓子を作り始めたのは天正18年

033_亀屋延永の黒ダイヤ・白ダイヤ【福岡】

筑豊地方が炭鉱で栄えていた頃、石炭は黒ダイヤ、石灰石は白ダイヤと呼ばれていた。 黒は黒砂糖と小豆、白は白砂糖と隠元豆でつくったゴツゴツとした羊羹。 もとは田川市の大月堂が作っていたが、現在は飯塚市の亀屋延永で作られている。 亀屋延永 飯塚店 福岡県飯塚市忠隈77-34 (2018.3.22)

034_四宮の成金饅頭【福岡】

成金饅頭は、福岡県直方市の銘菓。 直方、これなんてよむと思う? 正解は、のおがた。 なんでっ。 なおかたとかなおがたでいいじゃんっ。 一見どら焼きだけど、中身は白餡で豆の食感が残っているのが特徴。 普通どら焼きサイズから、大きいものは直径30cmとかある。 明治時代、値段が高騰すると思ってうずら豆を大量に買ったけど、実際は暴落しちゃって困った青年が、豆を処分するために饅頭を作ったところ売れたのが始まりという。 当時、筑豊炭田の重動労で疲れた鉱員たちが、甘い菓子を食べること

035_大石本家の成金饅頭【福岡】

ここの饅頭、ちょっと小ぶり。 生地の端が薄くパリパリで、餡は豆のカタチがガリガリ残っててうまっ♡ 大石本家 福岡県直方市古町17-8 成金饅頭 162円 (2018.3.22)

036_湖月堂の栗饅頭【福岡】

本店に行ってきた。 小倉の名物、栗饅頭。 中には栗を練り込んだ白餡。 1895年(明治28年)の創業以来栗饅頭を作っている湖月堂は、長崎の田中旭栄堂と共に元祖的な店とされる。 湖月堂 本店 福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-11 栗饅頭  108円 (2018.3.20) 小倉は長崎街道、別名シュガーロードの出発地。 それがここ、常葉橋のたもとに。 ここを砂糖が通っていったのよー。 それよりもなによりも、隣の橋のこの列をなす全裸のペンネ人間が気になる。

魅惑のシュガーロード

北九州市小倉から長崎市出島までの228kmを結ぶ道、長崎街道。 江戸時代には、この道を通って砂糖と南蛮菓子レシピがもたらされた。 シュガーロードとも呼ばれ、昔から多くの銘菓を生み出してきた。 日本を代表するお菓子メーカー、グリコ・森永の創業者がどちらも佐賀出身というもの大変興味深い。 長崎のカステラ、諫早の森永おこし、大村寿司、小城羊羹、丸ぼうろ、カステラ饅頭などなど、魅力的なお菓子がいっぱいだ。 簡単に通える距離に住んでいないのがもどかしい。 砂糖と一緒にポルトガル

037_岩永梅寿軒の桃カステラ【長崎】

桃に見立てたカステラを砂糖でコーディングした、長崎の郷土菓子。 主に桃の節句に食べられる。 これ、見た目も可愛いし、カステラ好きだし、長崎独特だし、もうすっごく食べたかったお菓子。 だから、ランタンフェスティバルを見に長崎行くって決めた時、最高の桃カステラ食べたい!と必至で美味しいと評判のお店探したの。 そこで選び抜かれたのがここ、岩永梅寿軒。 創業は天保元年(1830年)、お店の佇まいも黒くて渋い。 また中がいいのよ。 そっけないけどすっきりしてて、職人さんとかすごく姿勢

038_茂木一まる香本家の一口香【長崎】

一口香(いっこうこう)は長崎の郷土菓子。 お隣の佐賀にも同じお菓子があって、逸口香と書く。 中国から伝わった焼き菓子。 見た目饅頭だけど、煎餅? 噛むと、 中が空洞でバッリバリ。 内側にぬった黒糖飴と表面を覆う胡麻の香りがクセになり、ついついもう一個、となってしまう。 個別包装がされていない家庭用袋入り、7個400円のやつをかったのだけど、その日のうちに全部たいらげた。 なんか中空洞のせいか、カロリーとか食べたという実感、罪悪感がわかなくて。 弘化元年(1844年)創

039_森長の黒おこし【長崎】

おこしは諫早の郷土菓子。 長崎県諫早市も長崎街道の宿場町。 菓秀苑 森長は、寛政5年(西暦1793年)、この地に創業。 いや、おこしってなんか年寄りの食べ物だと思っていたのだけど、ゴメン、私間違ってた。 カリカリの黒砂糖がすごいいいアクセント。 米の味がしっかりして香ばしくおいしい。 こちらは道の駅彼杵の荘(そのぎのしょう)にて購入。 7:00からオープンで長崎のお菓子充実のお気に入り駅。 324円

040_村岡総本舗の小城羊羹【佐賀】

羊羹を見て、きれいだと初めて思った。 食べるけど、特別好きなわけではないお菓子から、羊羹LOVEになった。 そのきっかけが村岡総本舗の小城羊羹。 表面が固まってしゃりっとしている。 洗練された甘さに、しっとり感とシャリシャリが混ざりあって、もうたまりません。 銀色の袋に羊羹を流し込んで作る方が楽なのに、シャリシャリを作るために木型で固めたものを一本一本切り分けている。 小城市には20軒以上もの羊羹屋がある。 長崎街道、シュガーロード沿いでもある。 1872年(明治5年)