〈難しさ〉が心と体の栄養になる
歩く瞑想をしていると、必ず聞かれる感想に「思ったよりバランスが取りづらい」「フラフラしました」といものがあります。
普段、自分の歩くという行動を意識することはないので、そこを意識する事で動きもゆっくりになりますし、意外に普通に歩くことが難しく感じられると思います。
しかし、この〈難しさ〉が心にも体にも大切なことです。
先述した内容を引用します。
“私たちの日常行動は8割〜9割、無意識だと言います。
朝起きて、いつものように朝食を取り、家を出て、会社にいき、仕事をして帰宅する。繰り返しの生活の中では、ルーティン化されていた方が効率が良いでしょう。しかし、その無意識の繰り返しが、次第に心の柔軟性を失っていく事につながります。
身体の凝り、疲れは使いすぎによって起こるわけではありません。
同じ姿勢、同じ動作を繰り返す事によって、次第に柔軟性が失われ、肩こりや腰痛が発生します。血行が悪くなるのですね。
心も同じです。
いつも同じ反応、いつも同じ思考では、血流が悪くなり、心の柔軟性が失われ、予期せぬ出来事に心がダメージを受けてしまいます。
〈歩く瞑想〉では、普段無自覚に行なっている事を自覚的に行い、心の反応をフラットにし、心をストレッチしてあげるイメージです。”
https://note.com/eikan/n/n66f3366ef2a0
〈難しさ〉は心のストレッチになります。
そして、この〈難しさ〉は体にとっても大変重要なことです。
ゆっくりを意識することでバランスが取りづらくなる、そして体はバランスを取ろうとしてプルプルと普段使わない筋肉や関節など、身体感覚を総動員して新しい刺激に向かっていきます。
体に新しい刺激が生まれている瞬間です。
上手に出来る出来ないは関係ないのです。やろうとする事が既に刺激になって体を活性化します。そして同時に脳にも新しい刺激が入り活性化されます。
座って行うボディスキャンも大変効果の高い瞑想です。
しかし、身体的な刺激の入る歩く瞑想は、また異なる魅力があります。
どちらかに偏る事なく、バランスよく行っていくと良いと思います。
日常の中では、それほどゆっくり歩く必要はありません。
この瞑想はどんなスピードでも出来ます。
歩くたびに歩く瞑想が出来るということです。
たとえば、オフィスでトイレの行き帰りにも出来ます。
マインドフルな歩行は心の安らぎを与えてくれますし、心がリラックスしていると創造的な思考が生まれやすいといわれます。
困難な課題にぶつかった時や、思考が堂々巡りの時、瞑想ルームに向かう事は難しいですが(文化として育まれることを願います)、トイレ休憩は取りやすいですよね。
もしかしたら、トイレや休憩の間が一番生産性が高いのかもしれません。
ぜひ自分のライフスタイルのなかで取り入れやすい形で継続して下さい。
そして常に忘れないで欲しいのは、瞑想の時のあのリラックスしている感覚です。
瞑想を行なった際、最後に「この心地よい感覚、心は安らかで身体はリラックスしている状態を馴染ませて下さい」とお伝えしています。
この状態が自分が戻ってくる場所です。
日常の中で、不安やイライラ、嫌な事があって心が乱された時、戻る場所がなければ、心は漂流してしまいます。その不安、イライラがますます大きくなって自分を苦しめます。
そんな時こそ、地に足をつける事を意識して下さい。
心の古典的な例えに、旗竿で翻る旗があります。
強い感情がある時に、心は強風にはためく旗のように揺れ動きます。
竿はマインドフルネスを表します。
感情がどれほど荒れ狂っても、心を安定させ、しっかりつなぎとめる。
この安定や安心がリラックスを生む、創造的な思考や他者への優しさへとつながります。
心理的な安心は環境も重要ですが、自分で生み出す心の安定はさらに重要です。
これからも大切にしていきましょう。
続きは随時更新していきます。
ご興味のある方は、ぜひ「マインドフルネス瞑想@オンライン」にもご参加下さい。
https://note.com/eikan/n/nce50c4dc8079
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