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【雨が降ったら積極的に引きこもる】

●メソッド
 雨が降っていて気分が高まらず、モヤモヤした気分なら、思い切って家から出ないと決めてしまいましょう。
 できればテレビやラジオ、インターネットにも触れず、普段接する情報をシャットアウトしてください。その代わり、ゆっくり本を読んだり、映画を見たり、趣味の時間に費やしたりして、家の中に引きこもりましょう。

●ルーツ
お釈迦様の故郷インドでは、春から夏にかけて約3ヶ月も雨季が続きます。さぞかし皆どんよりとしているのかと思いきや、実はそうではないようです。インドの人々にとって雨季はとても大切な時期とされています。日本では想像出来ないくらいの大雨によって、辺り一面水浸しになり、様々なものが破壊されてしまいます。しかし同時にその大雨により色々な植物は芽吹き、新たな生命が誕生してきます。インドの人々にとって大雨は「破壊」と「恵み」をもたらす聖なる存在なのです。のちにそれは神格化して「シヴァ神」として信仰の対象となっていきます。
雨季は仏教の修行者達にとっても重要な意味がありました。普段、お釈迦様達は遊行(ゆぎょう)といってインド各地を歩き回りながら教えを説いたり、相談に乗ったりしながら修行していました。
しかし雨季の時期は歩き回るには危険が伴う為、時期が近くなると一箇所に定住し、瞑想修行に入ります。この修行期間を「安居(あんご)」「雨安居(うあんご)」と呼びます。安居の間は必然的に回りの情報がカットされ、自分自身と向き合う時間となります。
インドの僧侶達は乾季の間は色々な場所へ出て行って話をしたり聞いたりしながら修行を深め、雨季の時期には情報を遮断し、自分自身と向き合う時間にする。このようなサイクルで修行をしていました。

●メッセージ
お釈迦様やインドの修行僧たちは気候を上手に利用し「社会と関わる時間と自分と向き合う時間」をバランス良く保っていました。情報や理屈だけでは心は落ち着かず、自分と向き合うだけでは独りよがりになりがちです。どちらもバランス良く保つ事で、心も落ち着き、そして上手に社会と関わっていく事ができると教えてくれています。
現在の私たちの日常を振り返ると、情報にまみれています。朝起きてから寝るまで、メールや電話だけでなくSNSも含めると、起きている間は常時情報に接続しているといっても過言ではありません。
情報を得るのも現代社会では大切ですが、「情報を取得する時間」と「自分に向き合う時間」をバランス良く保つ事で、日常生活の質が一層向上し、心身ともにスッキリと過ごす事ができます。
雨の日は気分が落ち込む人もいると思いますが、いっそのこと「心を調えたり自分と向き合う時間にしてみよう!」と積極的な引きこもり日と捉えてみてください。仕事終わりは早めに帰宅し、さまざまなデジタル機器から離れて、デジタルデトックスをしてみてはいかがでしょうか。

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