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【7日間ブックカバーチャレンジ #4】

4日目の今日は、遠藤周作「深い河」をご紹介します。もう名著ですので、いまさら感もあるかもしれませんが、何度読んでも没入してしまう、まるで底無し沼の様な本だと思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062632578/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_9sp2DbAJSCA5C

みなさんは、少し大きなき悩み、深い悩みを抱えた時、どうしますか?
誰かに相談する人もいると思います。
一人で抱えてしまう人もいると思います。
気分転換を図る人もいるでしょう。
悩みも様々ですから解決方法を様々です。

私は本当に大きな悩みを抱えた時は本堂でボーッとします。
ただ仏様を見て過ごす時間を作ります。
誰かに相談すれば良いのに、なぜそんな無駄な時間を?
と感じるかもしれませんが、「沈黙」が心地よいからなのです。
私達が生きていようが死のうが、悩んでいようが、そことは全く関係なく流れる時間が、仏様の後ろには存在します。それを仮に真理と呼ぶとして、その真理の河に自分の悩みを浸すと、飲み込んでいってくれるような気がするからです。自分の生きている、この現世の時間感覚とは違った悠久の時間に身を置く時、少しずつ悩みが解きほぐされるような気がします。
そこに言葉は必要なく「沈黙」が心地よいのです。

少し抽象的な表現をしましたが、世界には現実に真理の流れに身を委ねられる場所が多々存在します。
その一つが「ガンジス河」
ヒンドゥー教徒の聖地であり、生活の糧であり、死者供養の場所でもあります。
愛を求めて、人生の意味を求めてインドへ向かう人。自らの生きてきた時間を振り返る為に行く人。
それぞれ目的は異なりますが、そのような人々の悩みや目的、希望は意に介さず力強い沈黙で受け止め河は流れ続けます。
そんな母なるガンジス河を舞台にした長編小説が「深い河」です。
不安で、まだまだ落ち着かない日々が続きますが、読後感は心地よい「沈黙」があなたを包んでくれると思います。

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