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対人関係のヒント

先日のマインドフルネス瞑想の時間にお伝えした言葉を、もう一度ご説明しますね。対人関係の上で、仏教が大切にしているマインドのお話です。

「四無量心(しむりょうしん)」

仏教には相手と接する時に、このような心持ちで接しましょう。という仏教徒マインドがあります。
それは慈・悲・喜・捨(じひきしゃ)と云います。
この4つをまとめて「四無量心」とも表現されます。

慈とは、友人に接するようなフラットな気持ち。
悲とは、相手の悲しみを自分の事のように悲しめる気持ち。
喜とは、相手の喜びを自分の事の様に喜べる気持ち。
捨とは、相手に対するラベリングや固定観念を捨てて接する気持ち。

仏道の実践により、このような仏教マインドを育てていくことが、自分と他者を幸福にする事に繋がると考えています。

しかし、誰に対してもフラットに共感性を持って接するというのは、とても難しいですよね。
ただ出来なかったとしても、やろうとチャレンジする人と、チャレンジすらしない人では、全く違う未来になります。

タンスに匂い袋を入れていても、すぐには衣に香りが移りません。
時間をかけて、ゆっくりゆっくり衣に香りが染み込みます。
これを薫習(くんじゅう)と言います。

同じように、私達の立ち振る舞い、マインドも一朝一夕には変化しないものです。しかし、その事を意識して瞑想を基本に実践することで少しずつ薫習していることも確かです。
ゆっくりと慌てずに、心に水をやり栄養を与えて四無量心を育てて下さい。

そしてもう一つ、ブッダの言葉をご紹介させて頂きました。


『御者は動き出した馬車を制御する。
その様に、生じた感情を制御する者、その者を私は「智者」と呼ぶ。』(Dhp.222)

御者とは、馬車のドライバーの事です。
目的地まで安全に馬車を進める為に、細心の注意を払いながら手綱を握ります。
優れた御者というのは、アクシデントが起こった時に本領を発揮します。
例えば、当然、馬の前に障害物が出てきて、馬が驚いて暴れたとします。
力量のない御者であれば、暴れた馬を制御出来ずに、馬車や客を危険な目に遭わせてしまうでしょう。
しかし、腕の良い御者は暴れる馬を上手にいなして、何事もなかったかのように歩みを進めます。

同じ様に私達の感情も突然暴れだすものです。
ちょっとした一言だけ怒りは頂点に達し、些細な行動で不安のどん底に落ちたりします。
その感情が暴れ出した時こそ、本領を発揮する時です。
暴れる感情に翻弄され、勢いづかせるのではなく、客観的に観察し、手綱を握って上手くいなしてあげる、この様な人をブッダは「智者」であるといいます。
智慧ある者というのは、決して知識豊富な博識な人を指すのではなく、自分の手綱を握れている人の事を指します。

もちろん知識も大切です。
お仕事で必要される、知識やスキルを身につける事は社会に求められる事でしょう。
しかし、その大切な知識やスキルを存分に発揮する為には、自分自身の手綱を握れている必要があります。

どんなに素晴らしい知識やスキルをお持ちでも、ちょっとした事で落ち込んだり、イライラしていては、パフォーマンスはガタ落ちですよね。
また、上記の「四無量心」も自分の心を客観視し、ジャッジせずに他者と接する事で養われるものです。

パフォーマンスを維持し、良いモチベーションを保つ為にも、ご自分の手綱を握り、良き御者を目指して下さい。
瞑想の時間は、良き御者になる為のトレーニングの時間とも言えますね^_^

続きは随時更新していきます。
ご興味のある方は、ぜひ「マインドフルネス瞑想@オンライン」にもご参加下さい。

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