えほん ようせいぷぷ
きみ だれ
ぼく ぷぷ
大きな森の奥深く、陽気な妖精たちが楽しく暮らしていました。
(おおきなもりのおくふかく、ようきなようせいたちがたのしくくらしていました。)
ある日、妖精ぷぷがやって来ました。
(あるひ、ようせいぷぷがやってきました。)
「わ〜 いいとこじゃん」ぷぷは気に入り住むことにしました。
(「わ〜 いいとこじゃん」ぷぷはきにいりすむことにしました。)
森の妖精たちはぷぷを歓迎。
(もりのようせいたちはぷぷをかんげい。)
みんな集まり、パーティーが始まりました。
(みんなあつまり、ぱーてぃーがはじまりました。)
ピピッピー ジャンジャッジャー パラララッパッパー♪
(ぴぴっぴー じゃんじゃっじゃー ぱらららっぱっぱー♪)
森も一緒にリズムを奏で歌って踊って楽しいときが過ぎていきました。
(もりもいっしょにりずむをかなでうたっておどってたのしいときがすぎていきました。)
楽しい毎日を送っていたある日のこと。
(たのしいまいにちをおくっていたあるひのこと。)
ぷぷは眠っている妖精の部屋に忍び込み、からだ中に落書きをしました。
(ぷぷはねむっているようせいのへやにしのびこみ、からだじゅうにらくがきをしました。)
目覚めた妖精はびっくり!! それを見ていたぷぷは大笑い。
(めざめたようせいはびっくり!! それをみていたぷぷはおおわらい。)
ぷぷはイタズラが大好きだったのです。
(ぷぷはいたずらがだいすきだったのです。)
落とし穴を掘ったり、枝から突き落としたり、イタズラがひどくなっていきました。
(おとしあなをほったり、えだからつきおとしたり、いたずらがひどくなっていきました。)
ぷぷにイタズラを注意してもやめようとはしません。
(ぷぷにいたずらをちゅういしてもやめようとはしません。)
困り果てた妖精たちは森の女神様のところへ相談にいきました。
(こまりはてたよいうせいたちはもりのめがみさまのところへそうだんにいきました。)
泉がキラキラと輝き、森の女神様があらわれました。
(いずみがきらきらとかがやき、もりのめがみさまがあらわれました。)
妖精たちは今までの出来事を話しました。
(ようせいたちはいままでのできごとをはなしました。)
森の女神様は穏やかに妖精たちの話を聞き、口を開き言いました。
(もりのめがみさまはおだやかにようせいたちのはなしをきき、くちをひらきいいました。)
「わかりました。あなたたちの思い聞き入れました。ぷぷのことは任せてください」
(「わかりました。あなたたちのおもいききいれました。ぷぷのことはまかせてください。」)
妖精たちは安心しました。
(ようせいたちはあんしんしました。)
その頃、ぷぷは次のイタズラをしようと待ち伏せしています。
(そのころ、ぷぷはつぎのいたずらをしようとまちぶせしています。)
ぷぷの前に森の女神様があらわれました。
(ぷぷのまえにもりのめがみさまがあらわれました。)
「あなたがぷぷですね。森の妖精たちに聞きました。あなたのイタズラはいけないことです。何度注意しても聞く耳をもちませんでしたね。次イタズラをしたら罰を受けることになりますよ」と言って姿を消しました。
(「あなたがぷぷですね。もりのようせいたちにききました。あなたのいたずらはいけないことです。なんどちゅういしてもきくみみをもちませんでしたね。つぎいたずらをしたらばつをうけることになりますよ」といってすがたをけしました。)
ぷぷは森の女神様の言ったことを気にもせずイタズラをしようとしました。
(ぷぷはもりのめがみさまのいったことをきにもせずいたずらをしようとしました。)
すると森の女神様があらわれイタズラをとめました。
(するともりのめがみさまがあらわれいたずらをとめました。)
森の女神様は悲しそうな表情で言いました。
(もりのめがみさまはかなしそうなひょうじょうでいいました。)
「ぷぷ、あなたは罰を受けなくてはいけません」
(「ぷぷ、あなたはばつをうけなくてはいけません」)
ぷぷはグルグル目を回し、気を失いました。
(ぷぷはぐるぐるめをまわし、きをうしないました。)
ぷぷが目をさましました。
(ぷぷがめをさましました。)
『わ〜 おもちゃがいっぱいだ!』
(『わ〜 おもちゃがいっぱいだ!』)
ぷぷは嬉しくなっておもちゃで遊ぼうとしましたが、からだが動きません。
(ぷぷはうれしくなっておもちゃであそぼうとしましたが、からだがうごきません。)
『ぼく、どうなっちゃったの?』
(『ぼく、どうなっちゃったの?』)
声もでません。
(こえもでません。)
ぷぷの前に、羽の生えたブタが飛んできました。
(ぷぷのまえに、はねのはえたぶたがとんできました。)
「きみが森の妖精たちの言っていたイタズラ者のぷぷだね。動くことも話すこともできないでしょ。だって、人形の中に入れられちゃったんだから。それが罰だよ」
(「きみがもりのようせいたちのいっていたいたずらもののぷぷだね。うごくこともはなすこともできないでしょ。だって、にんぎょうのなかにいれられちゃったんだから。それがばつだよ」)
羽の生えたブタはぷぷの鼻にキスをしました。
(はねのはえたぶたはぷぷのはなにきすをしました。)
ぷぷは口が近づいて来るのが見えましたが逃げれません。
(ぷぷはくちがちかづいてくるのがみえましたがにげれません。)
チュッと音が聞こえましたが触れた感じがありません。
(ちゅっとおとがきこえましたがふれたかんじがありません。)
ぷぷは、見る聞く以外には感じることができませんでした。
(ぷぷは、みるきくいがいにはかんじることができませんでした。)
羽の生えたブタは「じゃーね」と言って飛んでいってしまいました。
はねのはえたぶたは「じゃーね」といってとんでいってしまいました。)
ぷぷは女神様のせいで、こんなことになったと怒りましたが動けません。
(ぷぷはめがみさまのせいで、こんなことになったっとおこりましたがうごけません。)
不安になり悲しくなりましたが涙もでません。
(ふあんになりかなしくなりましたがなみだもでません。)
ぷぷの見た目はただの人形です。
(ぷぷはみためはただのにんぎょうです。)
こんがらがっていた頭の中も少し落ち着いて来たら、目の前のおもちゃが増えていることに気がつきました。
(こんがらがっていたあたまのなかもすこしおちついてきたら、めのまえのおもちゃがふえていることにきがつきました。)
ギコギコギコ トントントン♪
(ぎこぎこぎこ とんとんとん♪)
壁の向こうから聞こえてくる音にも気がつきました。
(かべのむこうからきこえてくるおとにもきがつきました。)
この音はなんだろう?
(このおとはなんだろう?)
ここはどこなんだろう?
(ここはどこなんだろう?)
ぷぷは色々考え想像しました。
(ぷぷはいろいろかんがえそうぞうしました。)
部屋のおもちゃは日に日に増えていきました。
(へやのおもちゃはひにひにふえていきました。)
部屋のおもちゃがいっぱいになったころ。
(へやのおもちゃがいっぱいになったころ。)
ガチャッ
(がちゃっ)
部屋の扉が開き、真っ赤な服に白いひげ大きなふくろを持ったおじいさんが入って来ました。
(へやのとびらがひらき、まっかなふくにしろいひげおおきなふくろをもったおじいさんがはいってきました。)
ここは、サンタクロースの家だったのです。
(ここは、さんたくろーすのいえだったのです。)
「さぁーみんな、あしたはクリスマス。こどもたちが待ってるよ」
(「さぁーみんな、あしたはくりすます。こどもたちがまってるよ」)
サンタクロースが大きなふくろの口を開けると、おもちゃがふくろの中へと吸い込まれていきました。
(さんたくろーすがおおきなふくろのくちをあけると、おもちゃがふくろのなかへとすいこまれていきました。)
夜もふけて、こどもたちが寝静まったころ、ソリに乗ったサンタクロースが空高くかけていきます。
(よもふけて、こどもたちがねしずまったころ、そりにのったさんたくろーすがそらたかくかけていきます。)
シャンシャンシャン♪ メリークリスマス♪
(しゃんしゃんしゃん♪ めりーくりすます♪)
よい子のところへとプレゼントを届け回ります。
(よいこのところへとぷれぜんとをとどけまわります。)
ぷぷは女の子のところへと送られました。
(ぷぷはおんなのこのところへとおくられました。)
目が覚めた女の子は、靴下の中のプレゼントに気がつきました。
(めがさめたおんなのこは、くつしたのなかのぷれぜんとにきがつきました。)
「わー サンタさんありがとう」
(「わー さんたさんありがとう」)
プレゼントを開けるとピエロの人形が入っていて女の子は大喜び。
(ぷれぜんとをあけるとぴえろのにんぎょうがはいっていておんなのこはおおよろこび。)
ギューッと抱きしめました。
(ぎゅーっとだきしめました。)
ピエロの人形は抱きしめられて、とっても気持ちよくなりました。
(ぴえろのにんぎょうはだきしめられて、とってもきもちよくなりました。)
「なんだろう、このあたたかい感じ、とってもここちいい」
(「なんだろう、このあたたかいかんじ、とってもここちいい」)
ピエロの人形は胸が熱くなり、からだがしびれ、女の子を抱き返していました。
(ぴえろのにんぎょうはむねがあつくなり、からだがしびれ、おんなのこをだきかえしていました。)
女の子はびっくり! でもそれ以上に嬉しくなりました。
(おんなのこはびっくり! でもそれいじょうにうれしくなりました。)
ピエロの人形もびっくり!からだが動くようになったのです。
(ぴえろのにんぎょうもびっくり!からだがうごくようになったのです。)
女の子はピエロの人形に声をかけました。
(おんなのこはぴえろのにんぎょうにこえをかけました。)
「わたしの名前はエリナ。 あなたの名前は」
(「わたしのなまえはえりな。 あなたのなまえは」)
ピエロの人形は口を開き「ぼく ぷぷ」
(ぴえろのにんぎょうはくちをひらき「ぼく ぷぷ」)
動くことも話すこともできるようになったのです。
(うごくこともはなすこともできるようになったのです。)
ぷぷはそのあと言葉をつづけました。
(ぷぷはそのあとことばをつづけました。)
「ありがとう」
(「ありがとう」)
エリナはにっこり微笑み、嬉しくて色々話をしました。
(えれなはにっこりほほえみ、うれしくていろいろはなしをしました。)
ぷぷは楽しそうに話を聞きました。
(ぷぷはたのしそうにはなしをききました。)
「わたしねっ、ぷぷが来てくれてとっても嬉しい。ピエロ大好き」
(「わたしねっ、ぷぷがきてくれてとってもうれしい。ぴえろだいすき」)
ぷぷは聞きました。
(ぷぷはききました。)
「ピエロってなに?」
(「ぴえろってなに?」)
エリナはサーカスに行ったとき、見たピエロのショーのことを話しました。
(えれなはさーかすにいったとき、みたぴえろのしょーのことをはなしました。)
ぷぷはわくわくしながら聞きました。
(ぷぷはわくわくしながらききました。)
自分がピエロの人形だと知ってサーカスのピエロのように踊り舞いました。
(じぶんがぴえろのにんぎょうだとしってさーかすのぴえろのようにおどりまいました。)
エリナは大喜び。
(えれなはおおよろこび。)
それを見ていたぷぷも嬉しくなりました。
(それをみていたぷぷもうれしくなりました。)
二人はいっぱい遊び、疲れ眠りました。
(ふたりはいっぱいあそび、つかれねむりました。)
ぷぷの夢の中に森の女神様があらわれて言いました。
(ぷぷのゆめのなかにもりのめがみさまがあらわれていいました。)
「あなたは、沢山のことを感じ考え知り、色々な思いを受け入れました。これで罰は終わりです。妖精の森に帰らなければいけません。エリナにお別れのあいさつをしましょうね」
(「あなたは、たくさんのことをかんじかんがえしり、いろいろなおもいをうけいれました。これでばつはおわりです。ようせいのもりにかえらなければいけません。えりなにおわかれのあいさつをしましょうね」)
ぷぷは目を覚まし胸が苦しくなりました。
(ぷぷはめをさましむねがくるしくなりました。)
『エリナと別れたくない、一緒にいたいよ〜』
(『えれなとわかれたくない、いっしょにいたいよ〜』)
エリナが目を覚まし、しょげてるぷぷに聞きました。
(えれながめをさましまし、しょげてるぷぷにききました。)
「どうしたの?」
(「どうしたの?」)
ぷぷは泣き出し、今までのことを話しました。
(ぷぷはなきだし、いままでのことをはなしました。)
じぶんの話ばかりして、ぷぷのことを全然知らなかったエリナは「ごめんねぷぷ」とあやまりました。
(じぶんのはなしばかりして、ぷぷのことをぜんぜんしらなかったえりなは「ごめんねぷぷ」とあやまりました。)
ぷぷは泣きながら微笑みました。
(ぷぷはなきながらほほえみました。)
エリナはぷぷを、ぷぷはエリナをいっぱい感じました。
(えりなはぷぷを、ぷぷはえりなをいっぱいかんじました。)
いっぱいいっぱい泣いた二人は抱き合い言いました。
(いっぱいいっぱいないたふたりはだきあいいいました。)
「ありがとうエリナ。 さようなら」
(「ありがとうえりな。 さようなら」)
「ありがとうぷぷ。 さようなら」
(「ありがとうぷぷ。 さようなら」)
ぷぷは動かなくなりました。
(ぷぷはうごかなくなりました。)
ぷぷは妖精の森でみんなと仲良く暮らしています。
(ぷぷはようせいのもりでみんなとなかよくくらしています。)
エリナに聞いたサーカスのことをみんなに話しました。
(えりなにきいたさーかすのことをみんなにはなしました。)
妖精たちはサーカスの話が大好きになりました。
(ようせいたちはさーかすのはなしがだいすきになりました。)
妖精サーカス結成♪
(ようせいさーかすけっせい♪)
最後のページは飛び出す妖精サーカスのステージです。
(さいごのぺーじはとびだすようせいさーかすのすてーじです。)
ようせい ぷぷは2009年にクリスマスプレゼントとして作った手作りえほんです。
(ようせいぷぷは2009ねんにくりすますぷれぜんととしてつくったてづくりえほんです。)
最後までお読みいただきありがとうございます。
(さいごまでおよみいただきありがとうございます。)
造形作家 佐藤栄治
(ぞうけいさっか さとうえいじ)
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