もうひとつの目覚まし時計
朝の透き通るような青空の中、駅までの道のりを自転車でただ、風の中を走って行く。時折すれ違う学生達の笑い声に何かがこれから始まるような、そんなうれしい予感を抱かせてくれる。
こんな何気ない風景が私は好きだ。どんなにカラフルな写真よりも、モノクロ写真が人の心を打つ時のように、そこにはいつまでも変わらない何かがあるような気がする。
学生達の「おはよう!」という明るい声が、この街に活気を与えてくれる。”さぁ、私の一日の始まりだ”という気持ちになるから不思議だ。
やがて駅に発車のベルが鳴り響く。
もうひとつの目覚まし時計は
心の中の、私をそっと
揺り起こしてくれる。
最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一