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ぎゅいーんとざざーと。

車の中では彼女の好きな
米津玄師の歌が流れていた。
春風の優しい午後の中、
私は車で信号待ちをしている間に
助手席でハミングしている奥さんに
道を尋ねた。

「ねぇ、○○店はどうやって行くの?」

すると彼女は、ゴキゲンな笑顔で
明るく私にこう答えた。

「あぁ、あの店ね。うーんとね。
この道をぎゅいーんと走って
そして右にざざーと行けばいいよ!!」

「ぎゅいーん?ざざー???
何それ??」

私はとても不思議な気持ちで彼女に尋ねた。

「距離よ!」と彼女は答える。

「距離??」と私はまた聞く。

すると彼女は右手の人差し指を一本あげて
得意げに私にこう答えた。

「ぎゅいーんが長い!ざざーが短い!」

「わからんわー!」

*ホントの話です。
爽やかなエッセイのはずが。。。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一