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ランと僕の愛すべき休日。

1年ぶりに実家に帰った。盆の時期まで忙しいので、仕事が落ち着いたこの頃に、墓参りもかねて毎年帰っている。

実家に一匹の飼い犬がいる。名はラン(女の子)という。

私は基本的に犬が好きだ。このランに対しては、かわいいなぁとは思うけど、ただそれだけで、溺愛というほどでもない。たまにしか会わないから、それは仕方ないだろう。しかし彼女(犬のラン)は、なぜか私を溺愛している。

私が「ただいま」と実家の玄関を開けると、ワン!ワン!ワン!と吠えたてながら私に突進してくる。一年ぶりというのに私を覚えているのだ。(匂いのせいか?)

仕方がないので私が彼女に顔を近づけ、よしよしと頭や体をなでてやると、狂ったように舌で私の顔を舐めまくり、身をよじらせ、体をこすりつけ、興奮が過ぎるとたまに爪を立てたりする。(犬です。)

はっきり言って迷惑だ。いろいろと痛いし顔はべとべとになるし、服は毛だらけになる。そういえば、ブログとかでかわいい犬の写真なんかが載っている。あれをしてみたいと思って、カメラで撮ってみた。

なぜだろう。かわいくない。

他人の写真はあんなに素敵なのに。
仕方ないのでアップで撮ってみた。

ますますダメだ。

実物はかわいいのに。暑くて舌を出しているせいかもしれない。それとも私が勝手に美化しているのか?そうか、写真のテクニックが必要なのか?なんて思ったが、飽きたので、2階に逃げて本を読んでいたら、私をあちこち探しているのか、足音のパタパタがものすごくうるさい。本を読んでいられないので、1階に少し様子を見に行く。

私を見つけて目が光る。
しっぽを高速で回転させてる。
シャッタースピードが追い付かないほど。
どっちが頭だか分からない。もうホラーだ。

私に近づきたいのだけど、階段が怖くて上がれない。あんまり意地悪をしてもかわいそうなので、また顔を近づけ、よしよしと頭や体をなでてやると、狂ったように舌で私の顔を舐めまくり、身をよじらせ、体をこすりつけ、興奮が過ぎるとたまに爪を立てたりする。(再度、犬です。)

いろいろと大変な目にあったけれど
溺愛すぎる彼女のおかげで
退屈することもなく
のんびりとした休日が過ごせました。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一