見出し画像

ひこうき雲。

少し嫌な出来事に、気持ちがまったく晴れないので、ネットに逃げ込んでたら、懐かしい歌に行き当たった。

歌は不思議。こんな気持ちを風のように撫でてゆく。いつしか心は洗われて、まるで泣いた後のようなとても晴れやかな気持ちにさせる。

私の青春時代(こっぱずかしい言葉だな。)と言えば、やはりユーミンであり、山下達郎さんでありオフコースであり、チューリップであり・・・。

それらに共通するものは、私にとっては”心地よい哀しさ”だと思う。哀しいからとひとりでいると”根暗だ”みたいな時代のときでも彼ら彼女は哀しみを、そのまま僕らに聞かせてくれた。それが私にはたまらなくうれしい。

生きることが楽しいだなんて、そんな時ははるかに短い。いつも誰もが口にしないけど、哀しみばかりを抱えている。その重さに耐え切れない時、人はやはり、立ち止まりたくなる。

そんなとき、どこかで歌が流れていて欲しいと思う。誰に聞かせるためでもなく、お金や名誉のためでもなく、流れていて欲しいとさえ私は思う。疲れ果てて、立ち止まった人の心を、優しい川の流れのように、運んで欲しいと心から願う。

その流れの先にはきっと、幸せがあるなんて私は思わない。

けれどもその哀しみを、受け止める小さな勇気をくれる。
私はそれが大切だと思う。

明日もどこかで”ひこうき雲”は
誰かの心を運ぶだろう。

空に憧れて、空をかけて
あの子の命がそうだったように。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一