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夢と江國香織さん。

なぜだか、また、小学校の夢を見た。

いったいこれで何度目なんだ?こうなるともう、”小学校”に、何か深い意味があるようにしか思えない。いったい小学校に、何があるっていうのだろう?もしもこれがドラマなら、こんな展開になるのかもしれない。

「職場でも家庭でも、うだつが上がらない男が続けて見る”小学校の不思議な夢”に意味を問い、仕事だけの人生で初めて1週間の有給を取る。懐かしい故郷の小学校に訪れた彼は、そこでかつての初恋の人が、佇んでいるのを偶然見つける。車椅子の彼女は彼に気づくと少し驚いて、そして、少しほっとして一筋の小さな涙を流し、彼にこうつぶやくのだった。

”よかった。ずっと逢いたいと想ってたの”

彼女の命は、あと半年しかなかった」っていう展開。

ないって絶対。

昨日見た夢の展開は、そんな色恋ごととはまったくかけ離れている。同じ女性でも、初恋の人じゃなくて、変な女性が登場するのだからいやになる。とりあえず、こんな内容だった。

夢の中で、私は図書館に借りた本を返しに行った。(実際に、その日は図書の返却日だった。)なぜかそこは、図書館じゃなくて、小学校。

でも私は、それに何の違和感も感じていない。はじめから知っていたように、小学校のどこかの教室に行き本を返している。また、本を借りようと思うのだけどまわりを見てもどこにも本がない。

「本はどこですか?」とさっきの受付の女性に聞くと「どこどこにあります」と教えてくれる。その場所がどこにあるのか全然わからないのだけど、夢の中の私は”分かりました”と、あっさりと答えている。

そんな時、隣に誰かがいるのを感じる。見るとひとりの女性だった。どこか見覚えがあるなぁと思っていたら、それはあの作家の江國香織さんだった。驚いた。と同時にうれしく思った。(私が彼女のエッセイが好きで、よく読んでいた。)でも、少し確信が持てない。本当にあの有名作家の彼女なのだろうか?

私がとても不思議そうに、見るともなしに彼女を見ているとその彼女はそんな私に気づいたのか、「これをあげましょう」と小さく笑って右手にペンを持ち、紙にすらすらと何かを書き始めた。

”そうか!サインをしてくれるんだ!やっぱり江國さんなんだ!”と思った私は、飛び上がるほどに喜んだ。そして、その紙を受け取ると、その書かれている文字に私は絶句してしまった。

詳しくは忘れたけれど、そこにはまったく意味不明なことが書かれてあった。違った・・・。彼女は江國さんなんかじゃなかった。(私が勝手に勘違いしただけだけど。)そう思うと、彼女の顔がだんだん違って見えてくる。まるで千と千尋の神隠しに出てくる”湯ばーば”(だったっけ?)のような”しわくちゃなおばあさん”に変化してゆく。

怖くなった私は逃げようとするのだけど、まわりは霧に包まれて、自分がどこにいるのかもわからない。次第に心細くなる。泣きたいような気持ちにもなる。そこで夢は途切れてしまい、あとはもう、覚えていない。

小学校に何があるんだ?なんでこんなに切ない夢なんだ?せめて舞台を高校くらいにしてセーラー服っぽい甘い夢を見させてくれよ、私。

って・・・なんだそれは。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一