今日も祭りを撮っていたい。

2023年11月12日 20:00

長かった祭りシーズンを終えて、暦の上では冬を迎えました。

GWが過ぎた頃にコロナ禍は明け、今年から祭りが完全復活したという地域も多かったと思います。７〜８月の猛暑を果たして乗り越えられるだろうかと不安もありましたが、こうして無事今年の祭りを振り返られることに安堵の気持ちでいっぱいです。今回のnote（というか今年初noteでした笑）では、主に撮影した写真と共に、今年の祭りを振り返りたいと思います。

今日もどこかで祭りが行われている

僕は石川県の能登を拠点にしているフリーランスのフォトグラファーです。コロナ禍前は能登を中心に北陸の祭りを撮っていましたが、少しずつエリアを拡げていきたいという計画もあったので、今年は東京・東海・関西・九州の祭りにも足を運びました。見たことのない祭りを個人的に見てみたいという興味や、祭りを撮る上・語る上で井の中の蛙になってはいけないという思いもあり、たくさんの刺激を受けてきました。やはり地域が違えば、人が違う。方向性は同じでも、全く異なる見え方がして、とても新鮮に映る祭りも多かったです。

日程が重なってしまう祭りが数多くあるので、僕の「行きたいリスト」で行けていない地域がまだまだあります。リサーチしていて改めて驚く日本の祭りの多さ。日本のどこかで今日も祭りが行われている。だから僕は日本のどこかで今日も祭りを撮っていたい。そんな風にぼんやり考えることが多いのですが、将来的には拠点も変えていきながら全国（そして世界）の祭りをまわってみたいと思っています。

改めて感じた「記録」の価値

今年は「制限のない開催」という祭りが多かったです。コロナ禍の数年というのは推しはかることのできないくらい、長い期間だったと思います。進学や就職などで地元を離れたり、生活環境が大きく変化された方も多いでしょう。本当に色々な想いでこの時期を過ごしていたと思うので、久しぶりの祭りで見た溢れる笑顔は本当に印象的でした。

反面、ブランクを感じる場面もありました。元々過疎地では高齢化が進み、祭りの継承が難しくなっている地域もあります。祭りをしようと気持ちがあっても、人手や準備が足りない場合があり、今年も中止（または神事のみ）という祭りが能登にはいくつかありました。地域の青年団などがSNSで繋がり、お互いの地域の祭りを助け合っているという事例もあるので、そのような活動が少しでも広がると良いなと思います。

祭りによっては写真を撮りにきていた人が僕しかおらず、物凄く珍しがったり、とても喜んでくださったことがありました。「写真楽しみにしています」という言葉は僕自身のモチベーションにもなりました。

祭りは地域の人ひとりひとりが主役だと思っています。カメラを向けたときの笑顔は僕も忘れられないし、記録としてもずっと残していけるもの。地域の人にとっても、僕にとっても大切なものになると嬉しいです。

コロナ禍があったからこそ、改めて継承の難しさを感じたわけですが、同時に「祭りが行われたこと」や「この場所にいたこと」の記録としての価値にも気付きました。「あのとき祭りを撮りにきていたのはこの人か！」と喜んでいただけるように、僕もフォトグラファーとして飛躍していきたいと思っています。

祭り写真で振り返る

今年に入ってからは毎週のように祭りへ行っていました。僕自身、今年は祭りやイベントの撮影の稼働数は120を超えました。撮影のご依頼・契約が事前にあった祭りもあれば、個人的に撮りたい祭りもあります。一つ一つが僕にとって大切な撮影機会。今回は夏以降に撮影した祭りを厳選して紹介したいと思います。

今年は祭りのドキュメンタリームービーを一本でも多くつくりたいと思っていたので、可能な限りムービーも撮りました。YouTubeはもっと頑張りたいので、ぜひチャンネル登録してご視聴いただけると嬉しいです。

ベクトルを自分に向けた一年

2022年にSONYさんのサイト「NEW generation」や、CURBONさんのWEBマガジン「ENCOUNTER」に出させていただいたり、パリ・ロンドン・ニューヨークなど国際的なフォトコンテストで上位入賞を果たすことができました。「自分はいったい何者？」という論争（コンプレックスのようなもの）が僕の中でずっとあったのですが笑、名前を残すことができたことによって「何者かにはなれた」という気になりました。

これは慢心しているわけではなく、僕の中で「フォトグラファー」としてスタートラインに立てたという感覚です。石川県の能登を拠点にして、何もないところから始めたことが形になり始めました。だからこそ、これからの自分はどうなっていきたいかということを考えたとき、他者からの評価よりも自己満足度の高い写真を撮り続け、常にベストを尽くしたい。そして明日からの撮影機会は全てがノビシロでありたいと思いました。成長意欲があれば、もっともっと海外での展示などにも参加できるかもしれません。

「人は人、自分は自分」というと冷たいような印象をもたれてしまうかもしれませんが、ベクトルを自分に向けることによって、何もなかったところに少しずつ「自分だけの道」が開けていけているように思います。

来年は祭りを紡ぐ新プロジェクト

前述したように、将来的には拠点も変えていきながら全国の祭りをまわってみたいと思っています。そして祭りに特化したプロジェクトを形（事業）にしていけるように現在WEBサイトを制作中です（←来年はじめには公開できると思います）。祭りを撮っていて常々思うのは、撮影を続けるには気力・体力・財力も必要です。ご依頼の本数や、ご契約いただける自治体・団体様などをもっと増やしていけるように尽力しようと思います。ご興味のある方はぜひ気軽にお声かけください。

今年は数年ぶりにフル稼働して祭り写真を撮り続けました。祭りと出会い、新たに人とも出会い、とても充実した時期を過ごすことができました。祭りというのは日本の素晴らしい文化です。地域や人の潜在的な魅力を祭りの写真を通して伝えていければと思います。

それでは。

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