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人生もキャリアも欲張っていいんじゃないか?という話

私が20代だった頃は、まだ「ブラック企業」という言葉もなく、一方で「過労死」という言葉はあって、その後法改正などによって労働環境は改善されてきました。



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20代当時で言えば、社会人になれば「24時間戦えますか?」という世界でしたし、それが特に異常とも思っていませんでした。なにせ会社にいるすべての人、その多くは自分より年上の人、そういう人たちが24時間態勢で仕事をしていたからです。

そうなると当然「プライベート」なんてものはなく、それでも体力が有り余ってる若者だったので

・仕事を一旦抜けて夕食に行き、23時に会社に戻る
・土日も出社して平日に片付けられなかった仕事を終わらせる
・ノートPCが貸与されて以降は帰宅して夕食後いつまでも仕事をしている
・金曜徹夜して土曜日朝から友達と1泊2日旅行に出かける

なんてことは、特に珍しいものでもなかったのです。

今となってみると、異常と言えば異常なのですが、なにせ世の中がそういう雰囲気なので「プライベート優先」などと言えば「仕事をしない」と同義であるような、そんな世界でした。

昨今では、どんな状況でも仕事に100%振り切らないのが若者のスタンダードになってきており、年長のマネジメント層が苦労している、マネジメント層自身も「自分の生き方は間違っているんじゃないのか」と悩む、とも聞きます。個人的にはいい流れだと思いますし、誰もが仕事のために生きているわけではないので、自分や家族のために「生活の手段として仕事をしている」ことが認められても良いと思います。

さて本題ですが、そういう世の中にあって

・人生もキャリアも欲張りでよくない?

ということを、最近特に思い始めていて、簡単に言えば

・人生でもキャリアでも「我慢すること」は少ないほうがよい

ということでもあります。

今でも転職活動においては

・命をかける覚悟で貴社のビジネスに貢献します

みたいなものを求められるところはあるのですが、一方で

・家族が増えたので自由時間を増やしたい
・子供が小さいので残業は極力避けたい
・家の都合でフルリモートがありがたい
・親の介護があるのでフレックスタイムがありがたい

などと言うような要望も候補者から出せるようにはなりました。とはいえ、まだまだそういう

・仕事100%でない人

を採用するのは「どうしたらいいかわからない」企業が多いのではないかと感じています。

人生で欲張って損をすることはない、というのは自分自身の信念なのですが、これは馬鹿みたいに忙しくしていた大学時代に遡ります。大学生なので時間も体力も自由になるわけで、やろうと思えば何でも出来ました。今考えても、というか今同じことは絶対できないですが、本当に寝る間も惜しんで動き回っていました。何をしていたかと言うと

・大学の講義(最低限)
・アルバイト
・大学のサークル
・他大のサークル
・恋愛
・英会話学校
・中国語学習
・楽器

あたりです。40代になった今でも頻度を落とせばできるかも知れませんが、当時は毎日ベースでやっていました。

ただ、ここで得たものは後の人生に大きな財産になりましたし、むしろこの時期にやっておいてよかったと思います。当時は「今後使える」などと思っていたわけではなく、単に興味があったからやっていたのですが、

・大学→無事4年で卒業
・アルバイト→たくさんの友人が出来旅行にも行った
・大学のサークル→レベルが低くて途中で抜けてしまった
・他大のサークル→たくさんの音楽に触れ、技術の高い人に囲まれ、一生の友人も出来た
・恋愛→成就はしなかったが、大学生の経験としては貴重なもの
・英会話学校→大学4年生時点でTOEIC735点(まぁ大したことはないですが)
・中国語学習→後に中国留学、中国での現地採用につながる
・楽器→いまでも趣味であり、その原点は大学時代にある

というように、多くのことが今を作ったと思っています。

一方で40代になってからの年月を思うと、なにも残っていなかったりします。もちろん生活はしてますし、友人はいますし、趣味もありますし、好奇心もあります。でも、

・なんとなく生きている

感覚のほうがずっと強い。体力も気力も落ちてきているので仕方ないと言えばしかたないのですが、もう少し「欲張ってもよかった」かなと思います。40代だとまだ終活を迎えるには早すぎますし、今後続く人生の礎にもなるわけで、「なんとなく生きている」ことを後悔しそうな気もしています。

キャリアはと言うと、欲を言えば

・自分の経験を活かし
・自分の得意分野で
・自分のやりたいことを
・プライベートを犠牲にせずに やりたい

と思うわけですが、なかなかそういうポジションはありませんし、こんなことを言ったら

・少しでも違和感を覚えたら辞めそう
・少しでも理不尽なことがあったら辞めそう
・少しでも人間関係に困ったら辞めそう
・少しでも業務負荷が高くなったら辞めそう

など、マイナス要素ばかりが並んでしまうわけで、このへんは本心を言うわけにはいかないところです。ただ、人生の8割程度の時間を使う「仕事」が苦痛でしかない状態というのは決して健全ではありませんし、まさに「なんとなく生きている」に違いないのではないか、とも思います。

お金に関しても、

・好きなことをやってるんだから低収入でも仕方ない

とは思っていなくて、価値のある仕事なら対価をいただけるとも思っています。

もう時代が「モーレツ」ではなくなって、例え体力気力の有り余る20代であっても

・闇雲に無謀にただひたすらに生きる

ことが望まれなくなっている時代なので今の若者だったらなんというかわかりませんが、やれるときに目一杯チャレンジしてみることが、後のチャンスにもつながるとも思うので、もう年は取りましたが、まだいろいろ「欲張って」生きていきたいと思うわけです。

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