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【英文記事に挑戦 No.791】breaking は50歳!

【この記事の内容は】

TOEIC専門塾「英語屋」講師が書いています 
・英文記事やウェブページから「TOEIC的」でありながら「大人が興味を持つようなネタ」を探してご紹介。
・読解問題もご用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
・一番最後には、簡単な和訳と解説も。

【Pre-Reading】

連日熱戦が続いているパリ・オリンピックも日程の半分が終了。後半の楽しみの1つは、今大会から正式競技になったブレイキン(breaking)です。

私が学生だったころからブレイクダンスはあったので、そのイメージを持っていましたが、TVの特集番組で見てびっくり。全然レベルが違う!めちゃくちゃカッコいい!8/9(金)からの競技開始を楽しみにしています。

英国BBCのサイトには、この breaking の歴史や競技内容を紹介するページがあります。今日はそれを読んでみましょう。

【問題に挑戦】

Q: ブレイキン用語で「throw down」とは?
★ Understanding the language of breaking 以降を読んでみましょう

(A) 負ける
(B) 順番を待つ
(C) ペースを落とす
(D) 競技(ダンス)を始める

↓ 記事はこちら

記事を読んで、問題を解いてから次に進みましょう。

【Side stories】

上記のサイトでは、最後に Who are the ones to watch?(見るべき選手は?)という項目があり、そこで日本人選手の Shigekix も紹介されています。海外でも注目されている選手なのですね。しっかり応援しなくちゃ!

パリ・オリンピックの開会とちょうど時を同じくして阪神タイガースも調子が戻ってきて、そしてそうこうしているうちに、高校野球も始まります。ビール片手にスポーツ観戦が楽しい季節です。そして私自身はチョコザップも暑くて行かなくなっています。ええ、夏太り、確定ですとも!

【正解&解説】

Q: ブレイキン用語で「throw down」とは?
 (D) 競技(ダンス)を始める

Throw down

When a b-boy or b-girl hits the floor and starts breaking.
 選手が(競技)フロアに出て、ブレイキンを始めるとき

(のことを throw downという)

👆このの部分で (D) 競技(ダンス)を始める が正しいとわかりました。

throw は「投げる」downは「下へ」なので、throw down には「投げ落とす、投げ捨てる」という意味もあるのですが、スラングではこれが「戦いを挑む、なぐりかかる」という意味になるそうです。「拳を打ち下ろす」という意味からきているのかも。

こんな俗語が競技の正式用語になったというのは興味深いですね。大阪弁でいえば「いてこます(=やっつける)」が、オリンピック競技の正式種目の用語になったような感じでしょうか。

b-boy, b-girl というのも正式な用語で、上記のサイトでは「A male or female who practises the dance of breaking.(ブレイキンを実際にやっている男女)」と定義されています。b = breaking ですね。

そうそう、せっかくなので、breakingの歴史に関する部分も読んでおきましょう。

History of breaking

The birth of breaking came in tandem
 ブレイキンの誕生は、ほぼ同時期だった
with that of hip-hop 50 years ago.
 ヒップホップの誕生と、50年前に。
In the Bronx, the most northerly of New York's five boroughs,
 ブロンクス(NY市の最北部にある5つの区)では、
breaking would become an integral part of
 ブレイキンが重要な一部となった、
the lively outdoor gatherings that became known as block parties (略).
 「ブロックパーティ」として知られるようになった屋外でのにぎやかな集まりにおいて。
Taking inspiration from different dance and music styles,
 異なるダンスや音楽のスタイルから着想を得て、
breaking developed into a fast-growing cultural touchstone
 ブレイキンは 急成長する文化現象になっていった
within communities.
 地域の中で。

The ‘break’ in a song is where all vocals and other instruments drop out,
 曲の中の「ブレイク」とは、ボーカルや楽器の音がなくなり
leaving just the percussion.
 打楽器の音だけが残っている部分のことである。
A founding father of the breaking movement, DJ Kool Herc,
 ブレイキン流行の立役者であるDJ クール・ハーク は
noticed while performing at block parties that
 ブロックパーティでDJ活動をする際に気づいた
people would dance sporadically
 みんながときどきダンスをすることに(気づいた)、
whenever the breaks in the tracks he was playing came in.
 彼がかける曲の「ブレイク」の部分になるたびに

He started to play two copies of the same record,
 彼は同じレコードを2枚
mixing between them on two turntables
 2つのターンテーブルでミックスしてかけ始めた
so that he could extend the break and
 「ブレイク」の時間を延ばすことができて、
dancers would have more time to showcase their moves.
 ダンサーが動きを披露する時間を長くとれるように。

「ブレイク」のときのダンスなので、breaking と呼ばれたのか、なるほど。

ブレイキンもヒップホップも、発祥は半世紀も前。貧しい地区の若者たちが路上で楽しんでいただけだったのが、今では世界中で受け入れられ、楽しまれ、オリンピック競技にまでなるなんて、一種のサクセスストーリーのようです。しかし一方で、国の代表としてブレイキンに出場する選手には、そんな貧しい地区出身者はほとんどいないのではないかとも思います。

私が90年代初めに留学したのはアメリカのド田舎でしたが、大学にはDJブースとダンスフロアがありました。週末のたびにクラブのように楽しめるのですが、白人がほとんどの大学だったので、みんな下手くそで、だからこそあまり気負わずに楽しめたものです。あの時代にはもう、ニューヨークの街ではブレイキンが生まれていたのか。見てみたかったな。


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