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The Doobie Brothers ソロ・ワークス<マイク・マクドナルド編③>

The Doobie Brothersのメンバーのソロ・ワークス、今回は番外編でお送りします。

2013年に、マイクが1stソロから共演しているロベン・フォードとの連名で、"Unfinished Business"というEPを出しています。(配信リリースのみ)
日本ではWebメディアも含めて殆ど取り上げられていない様ですので、今回はこの作品を簡単にご紹介したいと思います。


Michael McDonald & Robben Ford / Unfinished Business - EP (2013)

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ブルーズ・ロック路線の2曲

収録された4曲のうち、半数が完全なブルーズ・ロック。実は私も未聴だったんですが、これがもう、とんでもなく格好いい。

まずは M② Judgement Day をお聴き下さい。

ブルーズ・ギタリストに転向して久しいロベン・フォードですが、彼のキャリアでもかなりハードな部類ではないでしょうか。

続いて同じ路線のM④ Long Haul を。

Blue Obsession(2000年)収録のObsession Bluesなど、歪み系ギター・サウンドを使った曲はこれまでにもありました。でもテナー・ヴォイスを武器にしていた当時のマイクの声を考えると、こちらの方がより説得力を増した様に感じます。
年齢を重ねた声質、音域の変化に加えて、歌い方自体も変えた様で、このEPのマイクの声は楽器に埋もれない倍音が出ています。

あと、本EPではディレイ、リヴァーブ系が控えめです。こういう音像の方が、より情感を感じられる様に思います。


ラテン系と、アメリカン・ロック系の2曲

M① La Marea Humana はラテン要素の入った曲。曲順的にこちらがEPのメイン楽曲になります。当然ですが、ロベンはこうした曲も上手いですね。


M③ Perfect Illusion は、近作に入っていても違和感のない楽曲です。


これはAORではない、けれども・・

4曲すべて紹介してしまいました。スムーズなサウンドで一世を風靡した頃のリスナーの方が、彼に期待する音楽とは違うかも知れません。
ただ、歌を大事にする姿勢そのものは一緒だと思います。昔はやらなかった様な曲調、サウンドであっても、声質の変化に呼応しての部分はあるはず。

また、ここにあるのは、ヒットを出すプレッシャーから離れた音楽です。でも、個人的には、自分の気持ちに寄り添うところで何ら変わりありません。

ジャンルの間をまたぐ感じに、この人の底力を感じます。

Fin

次回は3rdソロ作 Take it to Heart の回になる予定でしたが、2ndから5年間のインターバルが開くため、1回分使ってその間の活動を纏めようと思います。

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