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河井継之助、&『峠』など

https://otocoto.jp/news/touge_samurai0527/

司馬遼太郎の小説、『峠』を読んだのはいつの頃だったか?、もう全く思い出せない。
とにかく、ずいぶんと前だった。
その頃、司馬遼太郎の小説ばかりを、何冊も読んでいた。
『竜馬が行く』全巻もだし、幕末ものだけでなく、『関ヶ原』や『梟の城』等々。当然、『峠』も読んでいた。それで、河井継之助の名前を記憶したのだった。『花神』で大村益次郎を記憶した様に。

それが映画化された、しかも松たか子が出ている、と知って、観たいと思っていた、その映画を成田で観ることができた。
(今年になって映画館で観た映画三作、以前にアップした。『峠』は二番め)
当初、2020年9月25日公開予定だったが、延期再延期を経て、ようやく今年になって公開になった。私がこの映画を知ったのがいつだったかも、もう覚えていない。

この映画については。
よくぞ創った❗という感じ。
この映画に映し出される風景。。!!それらを見るだけでも素晴らしい。日本には、まだそういう風景があるのだ。否、そういう風景こそ、日本ではなかったか!新幹線駅前や、高速道路インター周辺に拡がってしまう、どこへ行っても同じ様な風景、それらになんとも苦々しい思いを感じてしまう私がいるのだ。
小泉たかし監督は、『河井継之助に会ってみたい!』という思いで撮ったそうで。しかり。
この映画では、河井継之助が長岡藩内で、武器調達戦争準備をしながらも、中立の立場を貫こうとしていくところを描いていて、そういう意味では、司馬遼太郎の『峠』(新潮文庫上下巻)の映画化とは言えない。上映時間114分。

河井継之助の生涯を映画化しようとするならば、到底二時間くらいでは済まない。
河井継之助が、どういう人物で、長岡藩家老にまでなり、かつどうして長岡藩を中立せしめようとしたか。
そういった観点からすると。
と、いうことで、秋山香乃の『龍が哭く』は、また格別に面白かった。
何しろ、妻のおすがの描写がいくつか出てくる。
嫁入りしてから殆ど家にいたことがない夫で、河井家で義父母と暮らしている、ことに、義母との関わり、そういう視点は女性作家ならでは、ではないだろうか!
河井継之助の遊学、ことに、備前藩の山田方谷との師弟関係もいい!

河合継之助は、時代の奔流に抗おうとしてしまったと言えるかもしれない。事実、長岡藩を戦場の地に変えてしまって、死後、やはり河井継之助を恨む声が上がったのだ。しかし、河井継之助は、そういうことも解っていた。

河井継之助の様な人物がいた、という、その意味を、私たちは、改めて見つめるべき時にいる、と思う。

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