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【「ワンダヴィジョン」第8話最速レビュー】ついに明かされたワンダの過去――映画では描かれなかったヴィジョンとの愛に涙

 「ワンダヴィジョン」は、「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)のその後の世界を舞台に、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とヴィジョン(ポール・ベタニー)の姿を描くドラマシリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4の幕開けを飾る本作では、コメディ作品の幸福に満ちた雰囲気から徐々にホラー映画のような不穏な空気が漂い始めるという、マーベル・スタジオらしい衝撃的&壮大な展開が待ち受ける。

 映画.comでは、「三度の飯よりマーベルが好き」な編集部員の尾崎秋彦とクチナシ、広告担当の蛯谷朋実が、毎週「ワンダヴィジョン」を配信開始と同時に鑑賞&オンライン座談会を実施。リアタイするガチ勢の皆さまはもちろん、ちょっと興味あるな……という皆さまも、ぜひお立ち寄りください。

 今回は、2月26日午後5時に配信された、第8話「前回までは」について語っています。

<第8話あらすじ>
ワンダは自らの現在と未来を理解するために、過去を再び訪れる厄介な旅に出る。

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クチナシ いやこれは……泣いちゃう……。

尾崎 もう俺の心はズタズタだ。

蛯谷 もうなんかパニック。

クチナシ アグネスことアガサ・ハークネスの正体がわかってよかったんですが……。いや、一旦もうそれどうでもいいくらいつらいです。

尾崎 45分ほどの話でしたが、密度が半端じゃない。え、なに? どこを語ればいいの?本当に申し訳ないんですが、もう何もしゃべりたくない。

クチナシ もうわからないよ。一旦泣いて寝たい。とりあえず、アガサはワンダの強力なパワーの源とその秘密を知りたかったんですね。

蛯谷 タイトルの「前回までは」って、もういままでのすべてってことですね。前回はアガサが完全な黒幕だと思わせる終わり方したけど、結局はやはりこのシットコムの世界を作り出したのはワンダという……。

クチナシ ワンダはソコヴィアで過ごした家族との楽しい記憶であり、シットコムならではの「すべてが夢でした」という結末を望んで再現していたんですね。悲しすぎる。

蛯谷 シットコムが恋しい。シットコム見たい……。笑いが欲しい……。

クチナシ ワンダとヴィジョンの恋の始まりが描かれましたし、そこにもシットコムがあった。ワンダにとってシットコムは“悪いことが起こっても現実ではない世界”の象徴だったんですね。え……本格的に悲しい。

蛯谷 すべてはシェナニガン・ドタバタ騒ぎ……深刻ではなく、大丈夫になる世界。

クチナシ 両親やピエトロの死から立ち直れずに恐怖を抱いていたワンダは、「嘆くのは愛を貫いている証拠」っていうヴィジョンの言葉に本当に慰められたと思うし、それでワンダは今回、いつかヴィジョンと暮らすつもりだったウエストビューの町を(意図せず)巻き込んで嘆くことで“愛を貫いて”しまった、ということなんですね……。心が痛いとはこのことかな展開すぎて……。

尾崎 僕はもう放心状態です。何も考えられない。

蛯谷 すべてを失ったタイミングで、どこか人生のなかで寄り添って存在していたシットコムというものにすがりついてしまったんですね……。

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クチナシ そしてヘイワード長官! お前だよ!! ヴィジョンを“兵器”として見ているから、嘆くワンダに「君のものじゃない」なんて言えたんですね。ワンダは愛する人を弔いたかっただけなのに……。

蛯谷 ヘイワードにはヴィジョンは単なる30億ドルにしか見えてないんですよね。

クチナシ 高等な技術が詰まった高額な兵器……。ヘイワードめ……思いやりと想像力の欠如!!

尾崎 ヘイワード、鬼畜すぎる……楽に死ねると思うなよ……。

蛯谷 本当にアベンジャーズ本部でのワンダとヴィジョンとのやり取りが最高なのに、それが余計つらくなる……。

尾崎 ちょっと落ち着いてきました。アベンジャーズ本部でベッドに腰掛けてシットコムを見るワンダとヴィジョン、可愛すぎでしたね。

蛯谷 可愛すぎました! メモ取りながら見てるんですけど、興奮して「かわいいいいいい」ってすごい勢いで書いておりました。

尾崎 ピエトロを失い、喪失感に苛まれるワンダ。一方で、喪失感を知らないが、懸命に想像し、知ろうとしてくれているヴィジョン。ワンダは彼に光を見出したんだろうなと、とてもいいシーンでした。

蛯谷 ヴィジョンこんなに表情豊かだっけと。

尾崎 もしかしたら、このドラマで1番好きなシーンかも

蛯谷 シビル・ウォー キャプテン・アメリカでもずっとワンダの支えとしてのヴィジョンが描かれてはいたけれど、今回あのふたりの真の関係が見えた気がしましたね。

尾崎 そうなんですよね。今回は、ワンダというキャラのいままでしっかり描かれてなかった部分が明確に描かれた

蛯谷 あとワンダの力の秘密というものも明らかになってきましたね。もともとアベンジャーズで1番強いのはワンダじゃないかと思っていたので、おおおおお! という気持ちです!

尾崎 映画のMCU追ってるだけだと、このふたりが恋に落ちたの、個人的に「なんか唐突」と思っていたから、アベンジャーズ本部のシーンで腹落ちした感じがすごかった。

クチナシ わかる! 私もふたりの恋愛関係はちょっと唐突だなと思っていたので、今回かなりその溝が埋まりました。ずっとひとりで、喪失感を経験したことがなかったヴィジョンがワンダと出会って失う悲しみを知ったのか……キュン。

蛯谷 こんな昔からワンダとマインド・ストーンの繋がりがあったとは。ヴィジョンと恋に落ちるのもそれはそれで必然だったのか。

尾崎 で、気が付いた人多いと思いますが、アベンジャーズ本部のシーンの直後、アグネスがおちゃめなんですよね。アグネス、目元拭ってたりするんですね。

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クチナシ アガサ、嘘臭い小芝居入れてきましたよね。苦しむふりをして母親を殺したときと同じように。

尾崎 クチナシさんの憎悪がすごい。

クチナシ だって本当に嫌だ(笑)! ワンダは本当にヴィジョンを愛してるのに!! こんなことしちゃうくらい心を痛めているのに!!

蛯谷 こうも人を傷つける言葉をばんばんぶつけられるのもすごいっすよね。ぐりぐり傷口に塩塗り込む感じ。

蛯谷 そしてSWORDの本部でワンダがヴィジョンの血縁者と名乗るのは、うううううう……と思いました。

尾崎 ワンダがヴィジョンを見て、「彼は私のすべて」とつぶやく。もうここで僕はダメでした。目の前がぼやけた。

クチナシ そう!! それなのに、ヘイワードは本部で何度もヴィジョンのことを「it」って呼ぶんですよ。「きみが“あれ”に会いたいって言ったんじゃないか」って。字幕には反映されてなかったですが……あくまでも物扱いする。

蛯谷 吹き替えで見てるとわからなかった! ヘイワード最低!!!

クチナシ あんなに悲しんでいるワンダに向かって……思いやりと想像力の欠如!!(重要なので2回言います)

蛯谷 あのワンダがヴィジョンの額に手を当てて「あなたを感じない」って言うシーン、アベンジャーズ インフィニティ・ウォーで同じようにワンダがヴィジョンの額に手を当てて「あなたを感じるだけよ」ってシーンを思い出して泣きそうになりました……。

クチナシ 繋がってましたよね……!! 同じくワンダがマインド・ストーンを破壊するときにヴィジョンが最後の瞬間に言った「大丈夫、君を感じるだけだ」も。

尾崎 時を経てセリフのセルフオマージュ入れてくるやつ、マジで好き。

クチナシ わかります。当時の感情もブワって戻ってきてより胸が苦しい……!

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蛯谷 そしてウエストビューにたどりつくワンダ。SIB(※第1回をご参照ください。)が久々に登場しましたね!

尾崎 SIB、久々でしたね。ちらっと映ったのを見て、なぜか「ひっ」と短く悲鳴を上げてしまいました。自分でもなぜかはわかりません。6週間ぶり? 別に会いたくはなかったな。

蛯谷 私は尾崎さんの顔しか浮かばなかった(笑)。

クチナシ SIBへの感情どうしたらいいの。

尾崎 なんだろう、なんか、ワンダに移入している感情の流れを、SIBがにゅっと出てきたことでぶち壊されたというか……とにかく、なんか「おい!」と思いました。

クチナシ SIBはさておき。ワンダ、ウエストビューで驚愕のパワーを発揮しちゃいましたね……! そりゃアガサも「ブラボー(棒)」って言っちゃいますよね。

蛯谷 もうワンダの力の無限大さ!!!!!!  確かに町ひとつを飲み込んで改変するってどんだけの力よって思ってたが、想像以上!

クチナシ ワンダがインフィニティ・ストーンのパワーを引き出したみたいな描写もありましたよね。

蛯谷 封印されていたマインド・ストーンの力を開放したのがワンダ。そのマインド・ストーンで出来上がったのがヴィジョン。

尾崎 で、ワンダがもともと持っていた魔女としての力が、マインド・ストーンによって増幅されてここまでになった、という。

蛯谷 もうすべてが運命。必然。

クチナシ ひーーー、もう繋がりすぎて怖い。

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蛯谷 つまりワンダとマインド・ストーン(ヴィジョン)は共鳴し合っているってことですね。

クチナシ そういうことですね。

尾崎 ここまで複合的な要素を、ここまで見事に有機的につなげてみせる脚本、化け物。

クチナシ しかもこの後とりあえず「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)」までは繋がる。化け物。

蛯谷 「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(原題)」も繋がるんですよね?

尾崎 「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(原題)」にドクター・ストレンジが出てくることが明言されているので、彼を通じて繋がるかどうか、って感じですかね。MCUは人をワクワクさせる化け物。

クチナシ 「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)」と「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(原題)」は繋がりますけど、ワンダが「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(原題)」まで絡むかは不明ですよね。マーベル・スタジオ社長のケビン・ファイギは、「ワンダヴィジョン」シーズン2の可能性について聞かれたときに、展開は「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)」までしか考えてないとは言ってましたけど……。こうなるとずっと繋げて欲しいな。

蛯谷 次回最終回ってまじかよ! どうなるんよ!!!!  もう最終回は2時間位やってほしい。

クチナシ もう映画の尺でやって欲しい。このクオリティとテンションなら2時間余裕ですよね。

蛯谷 もう何時間でもついていきますという気持ち……。MCUの奴隷です。

クチナシ アガサが最後に言った、カオス・マジックを使えるからワンダは〇〇(ネタバレのため自主規制)だっていう理由も早く教えて欲しい……。

尾崎 カオス・マジックってX-MENの概念でしたっけ?

クチナシ そうです! 少なくともこれまでのMCUでのワンダの能力はマインドコントロールとテレキネシスですけど……。

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蛯谷 あと、ピエトロは偽物と言われてましたね。“ニセトロ”。アガサの可愛いところでちゃったよ。

尾崎 ニセのピエトロでニセトロ。そんな略し方あるかよ。

クチナシ 思いましたよ。そんな詐欺まがいの寿司ネタみたいな……! 本物のピエトロに対するアガサの物言いもひどかった……。

尾崎 エンドロール後の展開は、マジで理解が及びませんでした。え? ちょっ、えっ……?って言っちゃいました。漫画ではよくある表現ですが、まさか現実世界で自分が言うと思わなかった。

蛯谷 いやエンドロール後も興奮ですよね! 私は「おいーーーーー」って叫んでました。いつかこのシリーズを劇場のでっかいスクリーンでみたい……。

クチナシ わたしはエンドロール後の映像が終わった瞬間ソファに倒れこみました。オールナイト上映とかやってほしいです。

尾崎 2、3年前はよくありましたよね。劇場でオールナイト上映して、そのまま最終話配信開始に突入するイベント。

クチナシ ありました、ありました。翌日ダメ人間になるところも含めて楽しいんだよなあ。

蛯谷 最終回は一体ワンダはだれと戦うんだろう。そしてどうなればワンダは幸せになれるんだろう……。

尾崎 「ワンダヴィジョン」の7話までは、「この世界は何なの?」という謎とその答えによって、物語が強力に牽引されてきました。しかしこの第8話は、シンプルにヒューマンドラマとしてのあまりにも強大な力によって、物語が牽引どころか吹き飛ばされていった。本当に幅が広い……。1シーズンでどこまで色んな感情を味わわせてくれるのか……。

蛯谷 もうワンダを幸せにしてくれ! 頼む!!!

尾崎 あと思ったのは……これ、はたと気づいたら、ヴィランの過去を見ているのと同じだ、って。ヴィランがなぜヴィランとなったのか、という。それと同じ過程を、まさかワンダで見ることになるとは思いもしなかったな。

蛯谷 苦しいことが連続して起こって闇落ちする……たしかにヴィラン。

尾崎 以前も、「互いの無理解から争いが起こる」ということを書きましたが、この物語のワンダとヘイワードはまさにそれ。いま、ワンダは世界の無理解や理不尽に触れ、心が張り裂け、闇と光、どちらに落ちるかわからない状態なわけです。そして迎える最終話……マジでどうなるのか……想像する最悪の展開にならないことだけを祈りながら、これから一旦泣いて寝ます。

クチナシ うんうん。ワンダのオリジンストーリーでしたね。今回はいままでで1番映画との繋がりが描かれましたし、いよいよラストスパート!という感じでした。わたしは完全にワンダの幸せを願う会に入会してしまったので、来週金曜まで、ほんと頼むよ……という気持ちで過ごします。

蛯谷 私は「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」見直します。

尾崎 これ、スポンサードコンテンツではふさわしくない発言だと思いますが……最終回、楽しみではあるんですが見たくない。結末を見るのが怖いというのと、この「ワンダヴィジョン」を待つ幸福な時間が終わってしまうのが悲しい。この矛盾した気持ちにも整理をつけながら、1週間過ごします。

クチナシ うんうん(涙)。この複雑で最高な感情を与えてくれたMCUに感謝しつつ(神さまなのかな)、また来週ここで会いましょう~!


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