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悲しくて見られなかったドラマ最終回、中国の頭脳バトルドラマ、芸人が着てたロンT、彼女は頭が悪いから 編集部の「買ってよかった」「見てよかった」

 こんにちは、映画.com編集部です。木曜日は、編集部メンバーのQOLが上がった、「買ってよかったなあ」「見てよかったなあ」「行ってよかったなあ」と思うもの・ことをざっくばらんに紹介します。

 映画に限らず何でも自由に、という感じ。それではいってみましょう。

■終わるのが悲しくて見られなかった「モダン・ファミリー」最終シーズン

モダン・ファミリー

Photo by Bob D'Amico/ABC via Getty Images

 2020年4月に11年の歴史に幕を閉じた「モダン・ファミリー」。大好きなドラマなので、番組終了が悲しすぎて、最終シーズンとなったシーズン11の視聴を避けていました。しかし、今年3月からNetflixでシーズン11全18話の配信が開始され、やっと勇気を出して見ることに。

 「モダン・ファミリー」は、親戚関係にある3つの家族が織りなす、笑えて泣けて、毒気のあるユーモアが小気味いいドタバタ劇。基本的に約20分1話完結型で、見終わった後には毎回「家族っていいなあ」、もしくは「こんな家族いいなあ」というあたたかい気持ちになっていました。

 シーズン11は、とてもたくさんのことが起こるので、これまでよりも1話分に物語がパンパンに詰め込まれている感はありますが、それも最終シーズンらしくてグッとくるものがありました。この作品の性質上、大きなネタバレみたいなものはないのですが、楽しみに見ている数日前の私と同じ立場の方々のために多くは語りません!

 見てよかったです。最後まであたたかくて、センチメンタルで、希望があふれていました。

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■中国ドラマ「明蘭~才媛の春~」

 中国ドラマは話数がとにかく多いので、「どうしても見たい!」と強く思ったものだけ手を出すようにしています。

 本作は、主演のチャオ・リーインが好きな女優だったこと、彼女が共演のウィリアム・フォンと実生活で結婚したこと、中国で大ヒットしたドラマだったことから視聴を決意!

 1話約45分×全73話となかなかの長尺で、観終えるまでに数カ月かかってしまいましたが、もっとたくさんの人に見てもらいたい、知ってもらいたいと思う良作でした!

 淡いピンクの花があしらわれた背景に、チャオ・リーインウィリアム・フォンにおぶさる姿を配したキービジュアルから、王道の恋愛時代劇を想像していましたが、予想に反してその実態は熾烈な頭脳バトル! 側室の娘に生まれたヒロインが、謀略入り乱れる実家や嫁ぎ先で、その才知を武器に苦難を切り抜けていくさまが描かれていきます。

 胸キュンを期待して見始めてしまうと肩透かしを食うかもしれませんが、個性際立つ登場人物たちの巧みな話術をはじめ、スリル溢れる攻防戦は大いに見ごたえあり!

 演技、脚本、美術、衣装、どれをとっても素晴らしいので、中国ドラマを見たことがない人にもおすすめです。

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■「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロンT

フォレスト・ガンプロンT

 「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン9で、チョコレートプラネットの長田庄平さんが着ていたのを見てすぐに注文した「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロングTシャツ。

 写真は背面で、あの名言入りです。前面はシンプルに映画タイトルが胸元に入っています。映画のTシャツ、グッズ系はすぐ買ってしまうので、今年は控えようと思っていたのですが、やっぱり好きな映画を“着る”ことができるのはちょっと気分が上がります。

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■「彼女は頭が悪いから」(文藝春秋刊)

彼女は頭が悪いから

 童話のようなかわいらしい表紙にそぐわない、「彼女は頭が悪いから」というタイトル。不愉快な言葉に、一瞬で射抜かれました。

 本作は、2016年に東大生5人が起こした強制わいせつ事件がもとになっています。物語の軸となるのは、横浜市郊外の平凡な家庭で育ち、女子大に進学した神立美咲と、渋谷・広尾の高級住宅街で官僚の息子として育った竹内つばさ。ふたりは出会い、恋に落ちますが、やがておぞましい事件が発生し、被害者と加害者として対峙することに。そして被害者であるはずの美咲は、想像を絶するバッシングに晒されます。

 学歴や家庭環境の違いが生む格差意識や選民思想を中心に、事件関係者の思惑が絡み合っていく、まさに帯にある通りの「非さわやか100%青春小説」。とりわけ、高学歴がアイデンティティの核になっているつばさの自意識や優越感、女性を品定めし、まるでモノのように扱う残酷さが、「これでもか」というほど執拗に綴られ、行間には作者・姫野カオルコ先生の怒りがにじんでいるような印象を受けます。

 最も恐ろしかったのは、性的暴行の事実はなく意志もないことを強調した加害者たちが、“ただ”ふざけた(被害者を笑いものにし、侮辱した)“だけ”なのに、なぜ裁かれるのか――と、罪を逃れようとしているわけではなく、本気で理解できなかったという描写です。

 人間誰もが、人を見下して優越感に浸ったり、一方で軽んじられて屈辱感を味わったことがあるはず。そんな胸のうちにある暗く汚い感情が引きずり出されるようです。

 表紙で使用されているのは、画家ジョン・エバレット・ミレイの「木こりの娘」。木こりの娘がお金持ちの領主の息子にイチゴをもらい、親しくなるさまが描かれていますが、後にふたりは悲劇的な運命へと導かれていきます。

 そしてタイトルのセリフは、実際に加害者が、取り調べの過程で口にしたものなのだそうです。本作の全てを語る、毒気のある表紙の引力を、読後に改めて感じました。

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 では、また来週~。

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