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美談クラウド[自由に]

忘れたくても忘れられない
ふとした瞬間に思い出して
悲しくて苦しくなる思い出はありますか?



ずっとフタをしてきた


思い出したくなかった


あの時に戻りたくて

あの時の自分に伝えたくて


中学最後の大会

負けたら終わり

地区大会に進む為には
このチームに勝たなきゃ行けない

大会前の追込みで怪我をして
スタメンから外された
後がない大事な試合

わずか3点差
残り3分

スタメンでずっと試合に出ていた内の1人が
足をつった

この子に代わって出場できるのは自分しかいない
わかってた

監督から声が掛かる

思いっきりやって来い!

でも

出場できたたったの3分間

全く記憶にない

そこまで緊張していた訳ではない
覚えてないのか
記憶から抹消したのか

覚えているのは試合後監督から言われた

もっと盛り上げて
送り出してあげれたらよかったな

としょんぼりした言葉

悲しかったことも
悔しかったことも
自分にガッカリしたことも
チームに申し訳ないと思ったことも
気持ちだけは覚えてる

この時の気持ちがあったから
高校では続けなかった

続けられなかった

もう辞めた、と簡単に口から出てたけど
本当はもっとやりたかった
でもチームメイトのうち
何人も同じ高校に進むことを思うと
続けられなかった

また同じチームメイトになって
頑張って練習して走って筋トレして励まし合って
楽しいことも嬉しいことも
たくさんあるのは知ってる
でもそれ以上に
もう迷惑をかけたくなかった
足を引っ張りたくなかった

あのチームはもっともっと上に行けた
そのチャンスを自分が壊した

だから自分のいないチームで
今度こそ勝ち進んで欲しいと
心の底から願った


今でもやっぱり好きなんだ
もうちゃんとジャンプだってできないし
まともにボールにも触れてないけど
今でも好きなんだ

テレビで上手い人を見ると涙が出てくる
違うスポーツでも頑張ってるチームを見ると
楽しくて興奮すると同時に涙が出てくる
こんなに気持ちと体の反応が
矛盾しているのはなぜ?

あきらめ?
もうとっくの昔に諦めてる
自分は続けるべきではない人間

チームスポーツが好きなのに
チームスポーツにいてはいけない人間

昔から気付かないフリをしていた
好きなことと得意なことは必ずしも一緒ではない

好きなことであれば例えうまくできなくても
継続してチャレンジすればいい
そんな綺麗事は知ってる
じゃあ
チャレンジした結果
チームに迷惑かけると前もってわかっていたら?

それでもチャレンジするのは
チームスポーツの意志に反していませんか?

結局のところ何の気持ちが1番大きいかってことで
好きだからチャレンジしたい気持ち
チームに迷惑かけたくない気持ち

自分の場合は
今まで誤魔化し続けてきた後者の気持ちが
あの瞬間にドーンと上回った

それだけ

それだけのこと

おとなしい子だったはずだけど
怒られてばかりで我慢ばかりの幼少期だった
他人に迷惑をかけてはいけない
間違ったことをしてはいけない
どんなに頑張っても失敗したら認めてもらえない

育ててもらった家庭のせいにはしたくないけど
そういう考え方しかできない子になってたんだな

大人になった今ならわかる
あの頃の自分に伝えたい

あの瞬間は確かに悲しかったかもしれない
悔しかったかもしれない
チームに自分がいることを
"間違い"だと思ったかもしれない

でも

その気持ちを味わえたのはチャレンジした結果だ
その経験を今後に活かせばいいんだ
チャレンジしている自分を
もっと褒めてあげてほしい

"今"しかできないことは
"今"自分なりに精一杯やればいいんだ
どんな結果になってもしっかり前に進めるから

もっと自由に
自由に自由に自由に
やりたいようにやっていいんだよ

自由に考えて
自由にしゃべって
自由にやりたいことやればいいんだよ


そうあの時の"自分"に伝えられたら

…伝えたとしてもきっと
"自分"は同じ選択をするんだろうな

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