なぜツツジが選ばれるのか?
ツツジを知らない日本人はいないのじゃないかと思う。街に彩りをさりげなく添えている花はツツジであることが多い。
見目麗しいだけでなく、花弁の根本から蜜が吸える。私は子供の頃、たまにその蜜をおやつにしていた。
近所のマンションを囲うように植えてあるツツジを、片っ端からブチブチともぎ取って蜜を吸いつくしたときには、後で母に怒られたことを覚えている。(良い子は絶対に真似してはいけない)
信号待ちの間、雨に濡れる街中のツツジを眺めながらそんなことを思い出していた。そのときふと疑問が湧いてきた。
なぜツツジが、植え込みの花のスタンダードとして選ばれたのだろうか?
まさか、子供たちにその蜜をおやつとして提供するためではないだろう。
夫にその疑問を投げかけると、「丈夫なんやろ」と言っていた。確かに一理あるかもしれない。大雨の翌日に散っているところなんて、たぶん見たことがない。
ChatGPTに聞いてみた。
おお、夫の「丈夫説」は合っていた。
さらに、
「ツツジは葉を落とさない常緑種も多いため、年間を通じて緑の景観を提供することができます」とな。
なるほど!それは考えつかなかったな〜。
マンションの管理者や自治体は、一年中「緑のパフォーマンス」を見せてくれているのね。市民や通行人からチップも取らずに。
よくよく考えたら、人知れず慎ましく日常に花を添えてくれるなんて「当然ではないこと」だな。緑を植えることで利益があがるわけでもないのに、目にした人の気持ちが和らぐように植えてくれているって。「そのマンションやその街に住みたい」に繋がるかもしれないとはいえ。
日本経済は先行き不安というけれど(そのへんのこと、ちゃんと勉強せねば……)環境をきれいに美しくしようっていう精神が当然のように浸透しているって、豊かさの一つだなと思う。
息子が大きくなっても、彼の次の世代になっても、ツツジが身近な花であるように。そんな日本を守っていきたいよなぁ。
明日の朝は、雨粒を着飾る白や桃色のツツジたちに会えるかな。思い浮かべながら眠りにつこう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?