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【サブスリーランナー30の掟】 13.ランニングフォームに拘る

私が、37年間、趣味として走り続けて来て、今もなお、走る情熱が衰えない理由の一つが、『ランニングフォームに拘る』ことにあります。

短距離走出身の自分にとって、「長距離走は、どんなフォームで走れば良いんだろう?」という疑問は、趣味としてマラソンに取り組み始めた当初から、常に頭の片隅に、いや、真ん中に有り続けているテーマです。

そして、サブスリーランナーを目指す人に限らず、ランニングをしている全てのランナーが、ランニングフォームへの拘りを持つべきであると強く思っています。

ランニングは、一定以上の距離・時間を掛けて行うスポーツであるが故に、一つ一つの身体の動きの善し悪しが、塵も積もって、後に、大きな差となって表れます。

無駄の無いランニングフォームは、速く走る為だけでなく、故障の予防にも繋がります。

また、私が拘っている『他人からどう見られているか』という走り姿の観点でも、見た目に綺麗なフォームは、見ている人の心を動かす力を持っているのです。

そして何より、綺麗で効率的なフォームは、ランニング中の楽しさを増加させる効果もあり、ランニングフォームに拘らないことは、とても、もったいない、残念なことであると思っています。

以上のように、『ランニングフォームに拘る』ことには、様々なメリットがあるのですが、私自身にとっては、技術的側面での話というよりかは、「この選手のように走りたい!」という、純粋な憧れを実現する営みであると言えます。

その憧れの対象となった選手たちの変遷を振り返ってみると、先ず最初に憧れたのは、マラソンに取り組むきっかけにもなった瀬古利彦選手でした。

精密機械のように、寸分の狂いの無いフォームで、ラストスパートの切れもある瀬古選手の走り姿は、短距離走出身の私にとって、まさに憧れでした。

その次は、バルセロナオリンピック男子マラソン銀メダリストの森下広一選手。私が一番、練習をしていた時代に、短いながらも全盛期であった、自分と同世代の彼の走りに、大きな影響を受けました。

短距離走出身の私が、フルマラソンで、2時間42分20秒までタイムを伸ばすことが出来たのは、森下選手のソウルフルな走りをイメージしながら練習を積めたからに他なりません。

森下選手のランニングフォームは、それまでのマラソン選手にはない、短距離走的なフォームで、ダイナミック且つペース変化にも対応出来る柔軟性を持っていて、私の走力向上に大きな効果をもたらしてくれました。

その後、長らく、森下選手のイメージで走っていましたが、約10年前、私の目に飛び込んで来たのが、先日現役を引退した大迫傑選手でした。

彼が、大学1年生の時に初出場した箱根駅伝1区でのセンセーショナルな走り姿は、私の心を大きく動かしました。

それからは、彼のフォームの特徴であるフォアフット接地をはじめ、上半身先行の走り方、腕振りの綺麗さ等々、様々な点を真似て、学ばせて貰いました。

そして、今は、五輪男子マラソン2連覇を成し遂げたエリウド・キプチョゲ選手です。

キプチョゲ選手のランニングフォームは、力みの無い、スムーズな動きを実現していて、その完成度は、驚嘆の域であると思える程、シンプル且つ底知れぬ奥深さを感じます。

実際に、身体全体で、キプチョゲ選手の走り姿をイメージしながら走ると、スムーズに前に進める感じがして、これまでとは違ったランニングの世界が広がるのではないかという、期待感を膨らませてくれます。

『ランニングフォームに拘る』ことは、タイムの向上、見た目の美しさ、そして、ランニングへの楽しみをもたらす、全てのランナーにとって、とても重要な要素です。

是非、今まで以上に、ランニングフォームに興味を持って頂き、今までとは違う走りの世界を体感して貰えればと思います。

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