えほん原論〜第2回 浦島太郎はお土産を断れないタイプ〜
カラス田:
しかし、中身がわからないお土産ほど怖いものはないね。
たなネコ:
いきなり、どう言うことだよ。
カラス田:
太郎のことだよ、日本昔ばなしのさ。
決まってんだろ。
たなネコ:
太郎と言っても色々あるじゃん。
桃太郎に金太郎。寝太郎なんてのもいる。
カラス田:
なるほどね、君の親絵本読ませずにyoutube見せてた?
たなネコ:
どんな偏見だよ!
カラス田:
もしかしてディズニープラス?
まずは、日本語の勉強だろ。
たなネコ:
だから、どういうことだよ!
何太郎かわからなくて、何で絵本読んで無かったことになるんだ。
カラス田:
それだよ!
「何太郎」って言ってんのが、お前が無教養の証拠だな。
たなネコ:
ホント、お前は失礼なやつだな。
意味もわかんないし。。。
カラス田:
おれは「太郎」って言っただろ。
日本昔ばなしで名前が「太郎」なのは「浦島太郎」だけなんだよ。
「浦島」は苗字だからな。
たなネコ:
誰がわかんだよ、そんなの!
カラス田:
だから無教養だってこと。
「日本昔ばなしの太郎」って言われたら、「ははーん、浦島のことね。」って思わなきゃ。
たなネコ:
そんなこと思うやついないよ!
カラス田:
まあ、無教養はそれまでにしてさ。
「浦島太郎」における「お土産」の話をしたいわけよ、今回は。
たなネコ:
「浦島太郎」における「お土産」。。。
開けたら老人になるあれだよな。
カラス田:
そう。カメを助けた浦島太郎は、恩返しとして竜宮城に連れられるんだな。
散々竜宮城で遊んで、帰り際乙姫からお土産をもらうんだ。
たなネコ:
中身もわからない「たまてばこ」。
カラス田:
てめえ!どんな口聞いてんだ、表出ろ!
いい気になりやがって!
たなネコ:
なんだよ、いきなり!
「玉手箱」って言っただけだろ。
カラス田:
ああ、「玉手箱」ね。
「だまれアホ」って聞こえてさ。
たなネコ:
どんな聞き間違いだよ!
カラス田:
仕方ないだろ。
人間に甘やかさてるからさ、ネコは。
日頃の憤りもあって。
たなネコ:
そんなこと思ってたのかよ。。。
カラス田:
こちとら、カラス。
世間の嫌われ者ですよ、そら嫉妬しますよ。
CDを反射させないでください、まぶしいです。
たなネコ:
よくカラス除けでCD吊るされてんの見るけどさ。
あれ効果あったんだな。
カラス田:
こちらは飛行中ですので。。。なにぶん。。。
たなネコ:
なんだよ、そのキャラ!
早く本題に戻れよ!「玉手箱」の話だろ。
カラス田:
ああ、そうだったな。
俺が思うに、浦島太郎はお土産を断れないタイプだと思うんだよ。
たなネコ:
どういうことだよ。
カラス田:
よく考えてみろって。中身もよくわからないお土産だぜ。
そもそも、知り合いもいない飲み会だしさ。
カメ側の都合で仕方なく浦島太郎は参加したわけ。
本心で言えば、一刻も早く帰りたいと思うのが自然だろ。
たなネコ:
ノリノリに見えてたけどな、浦島太郎側も。
カラス田:
一人で釣りに行くような奴だぞ。
カメの顔も立てなきゃいけないからさ、無理して飲んだわけよ。
で、ようやく帰れると思ったら「玉手箱」なんてよくわからないお土産まで渡されてさ。
たなネコ:
そう考えると不憫だな、浦島太郎。。。
優しいやつなんだろうな。
カラス田:
帰りもカメに乗るんだからさ、お土産置くスペースもないわけよ。
手でずっと持ってるのはしんどいじゃない?
太郎はそこで思うわけ。
「ああ、もっと大きなカメ助けりゃよかったなぁ。」
たなネコ:
お土産置けるかどうかで、助けるカメ決めないだろ。
カラス田:
カメはカメで、「積載量超えてるので出発できません」とか言い出してさ。
たなネコ:
カメが積載量とか言い出すな!
車じゃないんだから。
カラス田:
「海中では車両の位置づけなので。すいません、法律できまってるんですぅ。」
たなネコ:
車扱いなのかよ!
法律でマウントとるカメむかつくなぁ。
カラス田:
太郎とカメが一向に出発しないもんだから、乙姫もしびれ切らしてさ。
送迎用の大き目のカメ出すんだよ。
たなネコ:
なんだよ、「送迎用のカメ」って!
旅館の送迎バスみたいなこと?
カラス田:
太郎が送迎用のカメに乗るとさ、
後から助けたカメもちゃっかり乗ってくるんだよ。
「いやあ、ボクも初めて乗るんですけど、こんな感じなんすね。」
たなネコ:
カメは一人で帰れよ!
カラス田:
浦島太郎もカメのこと無視してさ、車内最悪の雰囲気よ。
あ。「カメ上の雰囲気」な。
たなネコ:
今更言い方はいいよ!
カラス田:
で、ようやく浜についてさ。
そっから玉手箱もって家まで歩くのもしんどいじゃん。
太郎は、中身だけ取り出して持って帰ろうとするんだよ。
たなネコ:
ああ、最悪だ。
カラス田:
玉手箱開けたら、煙もくもく。
気付いた時には、もう老人よ。
もしかしてと思って海側振り向いたら、そこにはクスクス笑うカメ。
たなネコ:
あいつ!
カラス田:
「いやぁ、開けない方がいいってさっき言ったじゃないすか。」
たなネコ:
くそ!無視してから、よく聞いてなかった!
カラス田:
ということでさ。
こんな悲劇も、浦島太郎がお土産を断れるタイプだったら起きてないわけよ。日本昔ばなし「浦島太郎」で学ぶべき教訓は、「中身がよくわからないお土産は勇気をもって断ろう。」だな。
たなネコ:
そんなわけあるか!!
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