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子どもが憧れる「おもしろい大人」は、要領よく諦められない

私が出会ってきた「おもしろい大人」は、子どもの頃、成績がよくなかったと語る人がけっこう多いです。
でも、そこから有名デザイナーになったり、有名大学教授になったり、会社社長になったりしています。

好奇心はたくさんありましたが、勉強に関しては、いわゆる偏りがあったのだと思います。幼少期、興味のあることと ないことの差が激しい子は、「偏りがある」と判断されて、良さが成績に現れにくいです。
日本の小学校では、少し生き辛いですね。
興味のない教科や課題もそれなりにこなし、提出物もきちんと出せなければ、成績という評価は低く、いい学校に行けず、学歴の低さから、会社にも評価されず、いい職につけないかもしれない…。
そういう親が恐れるループに、はまらない人生というのもあるのです。

たとえば、有名なお話としては、
電機会社社長でロケット開発をする植松努さん。
https://www.youtube.com/watch?v=gBumdOWWMhY
植松さんは、「潜水艦を作りたい」という夢を書いたら
勉強もできないのに大きな夢を見るな、できっこないと
子どもの頃、先生に怒られたそうです。
でも先生の言うことはおかしい、ぼくは人にできないことをやってやろう、と頑張ったそう。
お父さんの経営する植松電機に入社したものの、小さな町工場、莫大な借金を抱えてあわや倒産という危機もありました。
乗り越えられたのは「どうせ無理」と諦めなかったから。
そういう精神力こそ、子ども時代に育てたい力なんでしょうね。

興味があることにはとことん進むという性質のある子は、
集中しているとき、やるべきこと(たとえば食事や就寝、宿題など)に、
すぐに気持ちを切り替えることができません。
小中学校時代は、時間ごとに教科が決まっていて、
それを順番にこなせる子が良しとされますから
要領よく諦められない力は、なかなか評価されないのです。
しかし絵本作家の五味太郎さんは、やりたいことを突き詰めるためなら、
朝の5時になってもやっているとか。絶対に手を抜かないのだそうです。
「ぼくにはルーティーン(決まっている作業)がないんだ」とおっしゃっていました。
その代わり、妥協することがないから、たくさんの人に愛されるものができ上がるのでしょう。

ちなみに私は出版社に勤めていましたが、
ここには変わった人材がたくさんいました。
時間管理が苦手な人、コミュニケーション能力が低い人、事務的なことを1年ぐらい後回しにする人…。
でもそういう人は、他の人ができないような、素晴らしい企画や記事を作っていて、彼らにはかなわない!と思ったことが何度もあります。
そういう人がいなければ、ヒット商品は生み出せないのです。
逆に企画は平凡だけど時間を守る人もいて、だからこそバランスが取れていたんじゃないでしょうか。

そしてひっそりと言いますが、そういう現場では女子の力がたいへん強くて、融通のきかない高学歴だけの男子は、すぐに「使えない!」と怒られていました。
でもその洗礼に負けない新人さんが、自力でのびていくという社会でした。

確かに、新しいものを作るアイデアや、いいものをつきつめていく能力さえあれば、いまはフリーランスでもやっていけます。
必要なのは、それをおもしろがってくれる人に出会うこと、
そしてそれを説明できるプレゼン力、実行力かもしれません。
だから学校の勉強はできなくても、
本当の国語力と英語力を磨いて、いっぱい友達と遊ぶことを
子どもたちに経験させていきたいと思っています。

日本がダメなら、海外も視野に!
時間や人がゆっくり流れ、考える時間が持てる場所は、世界中にあると思いたいのです。

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