トロくても大丈夫。じっくり心の整理ができる子は強い。
「うちの子、トロくて心配なのよ」という友人に、「〇〇ちゃんはそこが長所だよね」と言ったら不思議な顔をされた。あ、間違えた。みんなは「あれもこれもできるし、〇〇ちゃんはトロくないわよー」と言うんだったな。ごめん、ごめん。
「トロい」=やるべきことに時間がかかるということは、私が抱えてきたことでもあって、今はそれもけっこういい個性なんじゃないかなと思ってます。もちろん、すぐできる人に理解されなかったり、みんなに置いていかれたり、やりたかったことに選ばれないこともあります。
でもそれは、何も考えてないから遅いわけではないのです。
頭の中で、すごくいっぱい考えてる。どんなリスクが考えられるかな、他にもっといいアイデアはないかな、こうすると多分批判が出るけどそれを回避する方法ってないかな、そんなふうに頭の中でシミュレーションしている時間がすごーく長いです。
課題を自分の中できちんと消化して、ベストな回答が出たときに、はじめてアウトプットする。
だからペースが遅いだけで、最終的にはゴールできるんです。なんなら、見切り発車した人が途中で失敗してリカバリーしているときに、失敗はすべて想定内でスタートすると出来上がりは非常に早かったりします。あわてることもない。
いまはスピードが求められる時代だから、ペースが遅い人の評価が下がるようにみえるかもしれない。その場でいい答えがほしい、今日中に発信してほしい、臨機応変に対応してほしい。会議中にぱっぱと切り返せないと、「なんでさっきしゃべってたときに言ってくれなかったの?」と責められちゃう。
だけどさ。
「時間がかかる自分」の方がしっくり来るんだもの。
スピードについていこうとすると疲れちゃって、後で何もやりたくなくなってしまうこともあるし、自分のペースでやった方が生産性がいいんだもの。
みんなとワイワイやるのも好きだし、一人の時間を確保することもすごく大事。みんなの輪に入った方が楽しそうだから迷うけど、今日は自分の安定のために「一人だけ帰る」ことを後ろめたく思わないようにしようと思ってます。でも誘われなくなるのはさみしいの(笑)。どっちも自分。
こういう考え方ができるようになったのは、編集や執筆の仕事で独り立ちできたというのが大きいのかもしれません。
書くことって、仕上がりまでのタイムラグが許されるのですよ。時間がかかる子は、きっとそういう職業に向いてる。
文章や絵、ものづくりは、一人で没頭する時間が長くても、最終的にいいものを出せば社会的に評価されます。
評価されると生きていく場所ができる。生きていく場所ができれば、気を抜ける場所も作れる。心のバランスがとれていれば、幸せなんじゃないかな。
あとは社会人になって経験を積んでから、だんだん人前でしゃべれるようになりました。トロくてできないから避けたり、矯正したりするのでなくて、学校や社会でちょっとずつ失敗や後悔を経験して、自分がどこまで頑張るかを調整できるようになった気がします。
私は、そうやって人生の調整をしている途中で「好きなこと」と「仕事」が結びついて、「苦手だけど頑張っちゃうぞ」パワーが溢れてきて、今に至ります。
何かしら好きなことがあることはすごく大事よね。好きはエネルギーになるから。
マイペースの子は、環境さえ整えてあげれば強いから、長所だと思うよ。
それに好きなことがあれば最強。
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