第46回絵本まるごと研究会
第46回絵本まるごと研究会の担当は、山城書店(京都府京田辺市)の店主であり、第5期絵本専門士の森武紀明さんでした。タイトルは、「本屋のオヤジは見た!~親子の本選び~」。どのようなお話だったのでしょうか?
絵本専門士5期生の森武紀明です。
京都府京田辺市 京都市と奈良市の中間地点に位置する人口72,000人のシャッター商店街で山城書店という町の本屋を経営しております。2009年に父の跡を継ぎ15年目です。山城書店は12月で60周年を迎えます。書店という仕事は地域の文化発信拠点と考えておりこのまちで最後の本屋になってでも続けていきたいと思います。絵本まるごと研究会の皆さんが出店されているシェア型書店の取組みやコミュニティスペースの設置を今年やっと進めることができました。構想、約5年あゆみは遅いですが店づくりを楽しんでおります。
先日、ローカルテレビで取材をいただきまたhttps://youtu.be/pCQoWnKzg7Y?si=s-x-ir8MUBMNVR5V
山城書店 (honya-de-hitoyasumi.com)
本屋のオヤジは見た!~親子の本選び~
当店の向かいに小児歯科さんがあり歯医者のご褒美に本を買おうという事で寄って行ってくれるのですがその親子たちのやり取りを黙って聞いております。まるで家政婦は見たのように…
入店間もなくよく聞くのが
「付録付きの雑誌はあかん」「漫画はあかん」とオカンが牽制!
こどもが本を選ぶと
「値段が高いからあかん」「そんなの赤ちゃんが読むやつやん」
なにかと理由を付けてあかんと言ってます。
あげくには「早くしなさい」と
子どもはおこられ泣き出すという
哀しい本選びだと思って本屋のオヤジも哀しくなります。
本屋が身近にないことで子どもはこんなことをいいます。
「この本借りていく~」 図書館と間違っています・・・ね
私が子供のころと違い図書館は充実されて、本は借りるものとなってきているのかなと思います。
いっぽうこんな親子も…
親子でいっしょにじっくり時間をかけて読み聞かせをしたり本のある空間を楽しんでくれています。
家族で来店したオトンがいいことを言っていました。
「本は未来への投資、好きなものを買ったらええねん」
素晴らしい先ほど例に挙げた親子にも聞かせてあげたいと思っていると家族は帰って行かれました…… ”買わへんのか~い” とひとり、突っ込みをいれて哀しくなった本屋のオヤジでした。
発表では伝えられてなかったですが
【常々、お伝えしている事は
「本は腐らないし、子供からお孫さんまで使えるから高くないですよ!」
本屋のセールストークです】
絵本館の営業さんにこんなポスターを貰いました。
今回、紹介した本屋での本選びがつまった わかりやすいポスターです。
書店さまへ | 絵本館 (ehonkan.co.jp) より引用
皆さんの活動の中で紹介いただけると本屋も出版社も作家もうれしく思います良かったら活用ください。
昨年もう一枚こんなポスターもいただきました。図書館で何度も借りるお気に入りの本は自分の本にしようというものです。
このポスターをみて以前から考えていたことを思い出しました。本屋をしているとプレゼント用に本を買いに来られます。そしてアドバイスを求められます。絵本専門士の資格があっていろいろ薦めますが売れ筋、ベストセラー、昔ながらの絵本が選ばれていきます。「そうだ本ではなくその子のための本棚をプレゼントしてはどうだろう!」
ただいま本といっしょに本棚を売ることを考えています。
ということで親子の本選びを紹介いたしました。