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第3回/人材会社勤務&ゲストハウス経営/王露さん

こんにちは!
えひめインターナショナルMeet-upの谷村です。
今回は、2023年7月17日に開催された第3回えひめグローバルトーク_海外出身者編の様子を記事形式で編集してご紹介します。

なお、えひめグローバルトークは、愛媛県で暮らす海外出身の方や、地域で国際交流・多文化共生に関する活動に取り組む日本人住民の方が、ご自身のライフストーリーや愛媛での仕事・暮らしなどについてお話しすることを通して、同じ愛媛県で暮らす海外出身者のみなさんにロールモデルを示すことや、地域とつながるきっかけとなる方をご紹介することを目指して行なっています。


第3回えひめグローバルトークのチラシ

ーーーまずは自己紹介をお願いします!

はじめまして!中国出身の王露と申します。
日本に来て13年目になります。もともと松山の大学に交換留学生として来ました。現在は、アビリティーセンター株式会社で勤務しつつ、松山市内のゲストハウスを経営しています。
今日はよろしくお願いいたします。

ーーー王さんは中国のどちらのご出身ですか?

南京市です。人口1,000万人くらいの大都市です。自宅は、どちらかというと郊外の方だったので、松山と雰囲気は似ています。

ーーーそんな大都市からどんなきっかけで来日されたんですか?

当時、日系企業が中国にたくさん進出しており、将来のことを考えて大学で日本語を勉強するようになりました。そして、大学3年生の時に、交換留学で松山の東雲女子大学に留学することになりました。

ーーー最初はすぐに中国に戻る予定だったんじゃないですか?

いやーそうなんですよ(笑)2年間留学する中で、それだけでは短いと感じたので、もう2~3年は日本で若いうちの経験として働いてみたいなと思いました。そこで、就職活動も、ちゃんと育成する体制が整っている会社に絞っていました。会社には申し訳ないのですが、ビジネス内容には興味がありませんでした。


交換留学中の王さん

ーーー人材会社に就職されましたが、初の外国人社員だったんですね。

そうなんです。そのため、戸惑いも少なくありませんでした。会社としても、初めての外国人社員に何をしてもらおうか決まっていませんでした。
日本人の同期と比べても、地元の中国の同級生と比べても、みんな仕事で活躍しているのに、自分は2~3年経っても何もできていない、自分の存在価値ってあるのかな、と悩みました。2年目の終わりには、会社に退職を申し出たこともありました。

ーーーコミュニケーションの小さな齟齬もあったんですよね

ありましたね。例えば、私の上司に対して、そのまた上司が、「王さんはどの業務にどれくらい時間がかかっているのか記録して報告してもらいなさい」と言ったんです。いま思えば、単に私の業務量の調整をしようとしたんだと思いますが、当時の私はそれを聞いた時、私が仕事をさぼっていると思われたのかと思い、泣きながら母国の親に相談したこともありました。

ーーーその後、営業職として活躍されましたがどんな経緯がありましたか?

当初は、派遣スタッフの方の管理など裏方の仕事をしていましたが、なかなかクライアントのことを理解しきれていなくて、自分の仕事も中途半端になってしまっていると感じました。そこで、思い切って営業をやらせてほしいと会社に直訴しました。

ーーー外国人社員で営業職ってとても大変そうなイメージですがいかがでしたか?

営業になって最初の頃は本当に大変でした。他の人の1.5倍は仕事に時間がかかってしまっていたと思います。クライアントの本音を理解するのも難しかったです。思い出深いのは、初めてのお客さんです。派遣開始前日に、派遣スタッフさんからドタキャンの連絡が来て、泣きながら上司に相談したことをいまでもよく覚えています。
また、お客さんの一言に励まされたこともありました。あるお客さんに、「よく辞めずに続けているよね!」と言われた時、とても嬉しい気持ちになりました。たしかに人材業界は人の入れ替わりが多いので、そこで10年以上働いていることは頑張ったなと思います。
あとは、中国人に対する社会一般のイメージがあまり良くないことも理解していますが、いろんな中国人がいるんだよ、ということを知ってほしいとも思っています。

ーーーいまは新規事業である、四国の企業の外国人採用の支援をする事業の責任者をされていますよね

はい、自分がこれまで仕事で身につけてきたことや、自分自身のバックグラウンドも生かすことができて、集大成という感じです。いまはとても幸せです。

ーーー2020年頃から松山市内でゲストハウス経営もされていらっしゃいますが、どんなきっかけで始めましたか?

結婚がきっかけでした。中国では、結婚すると自宅を購入することが文化的に当然とされています。両親から強く言われましたが、正直転勤もあるので自宅の購入はためらいました。ですが、せっかくなら私たち夫婦が学生時代を過ごした松山に将来住みたいと思いました。そこで、松山に不動産を購入し、ゲストハウスとして運用することにしました。


ゲストハウスの内装

ーーー開業すぐに新型コロナウイルス感染拡大の影響がありましたが、大変ではなかったですか?

いや、準備期間が増えたと捉えていました。しっかり内装など準備できて、その後インバウンド需要の急増などで順調に運用しています。来月には2号店もオープン予定です。

ーーー最後にこれからやりたいことを聞かせてください

地域のつながり、職場の仲間などたくさんの人々の支えで暮らしてきました。近年、愛媛での外国人の住民がどんどん増えていますが、なかなか繋がりができずに志半ばで帰国や転出となってしまうケースも少なくないです。愛媛に恩返しする気持ちで、このような課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

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