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#85 行政書士試験に合格するために(宝塚市パチンコ条例事件編)

今回は、行政書士試験の行政法総論
(宝塚市パチンコ条例事件)について
書いてみました。


重要判例…

平成29年の行政書士試験の記述は、
「法律上の争訟」が出題されました。

【問題】
Y:パチンコ店を作りたいと思っている
A市長:パチンコ店を作ってほしくない

A市は、A市全域をパチンコ店出店禁止区域
とする条例に基づき、A市長名で、
Yに対して建設中止命令を発したが、
Yが無視したため、A市はYを被告として
建設中止を求める訴訟を提起したが、
このような訴訟は、A市がどのような立場で
提起したものであるとされ、
どのような理由・判決になるか?

【解答】
宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)に
沿った記述をすれば正解


特徴のあるキーワード…

択一で平成27年に出され、記述として、
その2年後に出題されたという流れです。

出題は2回しかありませんが、行政法の
中では、重要な判例の1つになります。

キーとなる単語は、3つあります。
・専ら行政権の主体
・法律上の争訟に当たらない
・却下判決

国又は地方公共団体が提起した訴訟であって、「財産権の主体」として自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合には、法律上の争訟に当たるというべきである…

(最判平14.7.9)

国や○○市といったところが、国民に対して
訴えを起こすことは「財産権の主体」
してなら法律上の争訟に当たるのでOKだが、
「専ら行政権の主体」として訴えるのは、
法律上の争訟に当たらないためNG
ということです。

問題文に「どのような立場で」と書かれて
いるのことや「パチンコ店」という単語で
「宝塚市パチンコ条例事件」について
書いて欲しい、ということが反射的に
分からなければいけない問題でした。

この判例は、他の国家試験でも頻出な
ようなので、行政書士試験においても、
これから何度も出題されると思います。


まとめ

行政法は、有名な判例が出題される
ことがとても多いです。

結論を知っているかどうかだけでも、
周りの受験生と差をつけることが
できますが、多肢選択式では、判例を
そのまま載せて問題にしている場合も
あります。

合格率こそ似たような数字ですが、
行政書士試験が宅建よりも難しい
されるのは、判例が出題されるためです。

4肢が5肢になるだけではないのです。

判例はたくさんありますが、
行政書士試験における本当に重要な判例は
それほど多くありません。

結論だけ覚えておけば解けるものも
いくつもあります。

どれが本当に重要なのかは、各予備校に
よって差がある印象ですが、受験生自らが
取捨選択するよりも精度は上がると思います。

必要な情報を仕入れ、理解・整理し、
暗記することで、点数が上がってくると
思います。





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