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#70 行政書士試験に合格するために(エキストラ編)

今回は、行政書士試験の記述に登場する
エキストラについて書いてみたいと思います。


重要条文を押さえることは大前提!

平成24年の行政書士試験の民法の記述は、
「保証債務」から出題されました。

【問題】
A:債権者
B:債務者
C:Bの保証人(連帯保証人ではない)
D:Bの物上保証人

*物上保証人とは、他人の借金のために、
 自分の土地や家を担保に出した人のことです。

Aは、Bに借金の返済を求めたが、BはAに対して、
先にCかDに返済を求めて欲しい、
と断られたので、AはCに対してのみ、
借金の返済を求めた。

この場合に、Cは何をすればAからの請求を
拒むことができるのか、という問題です。

解答としては、
民法453条の「検索の抗弁権」について
記述すれば、正解することができるものでした。

(検索の抗弁)
第453条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。


「連帯保証人」は本当に危険

「ミナミの帝王」などのテレビドラマで、
よく登場するのは連帯保証人です。

この連帯保証人には、「催告の抗弁権」と
「検索の抗弁権」がありません。

(催告の抗弁)
第452条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。

(単独での)保証人と連帯保証人との
大きな違いになります。


まとめ

今回の平成24年試験の問題では、
Dさんが物上保証人として登場してきますが、
連帯保証との混同を狙ったものになります。

この問題では、物上保証人Dが連帯保証人である、
と読み取れる文章はどこにもありませんでした。

Dはあくまで物上保証人でしかありません。

そのため、
問題に登場するのは、ABCDの4人ですが、
解答するときには、4人全員は登場しません。

Dは、いわゆるエキストラです。

宅建の試験では、エキストラは
あまり出てこないように思います。

行政書士試験の問題作成者の方はエキストラが
好きなので、よく問題に出てきますが、
受験生としては、しっかりと見分け、
解答に登場させないようにしなければなりません。

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